研究課題
平成7年4月にフランス側代表者のR. Massart教授が来日した機会に、本年度の共同研究の具体策が検討された。11月に神山教授及び中塚教授がパリ大学を訪問し、第1回日仏磁性流体セミナーを開催し、両国で実施されている磁性流体研究の現状の紹介と討議を行い、問題点の抽出を行った。日本側では、特に、管内流動特性及び沸騰熱伝達特性の磁場制御に関しての新しい成果が発表された。フランス側からは、イオン性磁性流体の性能向上(特に、安定性の問題)及び光学特性の研究成果が発表された。イオン性磁性流体は、従来の界面活性剤を使用した磁性流体とは異なり、加熱による界面活性剤の微粒子からの離脱のための劣化がないため、沸騰現象の応用研究には適していると考えられる。この特長を十分に発揮させる応用面開発の研究計画が検討され、その基礎研究を日本側で進めることが合意された。なお、共同開発の成果の実用化についての手続きに関しては、両国間で若干の食違いがあるため、引続き話し合いを持ち、解決することにした。イオン性磁性流体の沸騰現象に及ぼす磁場の影響に関する研究が日本側で本格的に開始された。平成8年1月に東北大学(日本)において、第2回日仏磁性流体セミナーを開催し、共同研究の今年度の成果の発表会を持った。これらの相互交流を通して、今後の共同研究の遂行上の問題点の抽出とその解決のための研究方策の検討が進められた。この方針に沿って次年度は、まず中塚教授がピェ-ル・マ-キュリー大学に1カ月間滞在し(6月)、共同研究を実施し、8月に日本で第3回日仏磁性流体セミナーを開催する予定になっている。
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