研究課題
国際学術研究
本研究は、生体の血管中あるいはパワープラント等の微小細管中での自律的な移動や作業が可能なマイクロシステム、特にマイクロアクチュエータについての基本的構造、その特性について検討することを目的とする。また、圧電フィルム、形状記憶合金、電気粘性流体、磁性流体等のいわゆる電磁機能材料をマイクロシステムに応用することで、セルフセンシング、セルフアクチュエータ機能を有するいわゆるインテリジェントマイクロシステムについて理論・実験の両面からその可能性を検討した。平成9年度の成果は以下のようにまとめられる。(1)層流比例形純流体素子の応用としてインテリジェントアクチュエータとしてのマイクロフルイディクスで重要な役割を果たす微小圧力調整装置の提案を行い、その特性を検討した。(2)マイクロフルイディクスの流動場制御への応用に関する研究を行った。毛細血管の血球の流動に関する数値シミュレーションを行い、マイクロフルイディクスを用いた生体内流動の制御に関する基礎的知見を得た。(3)形状記憶合金を用いたマイクロバルブの調査研究を行うとともに、乱流場のフィードバック制御に適用する際の数値シミュレーションを行い最適設計に関する知見を得た。(4)形状記憶合金(SMA)マイクロアクチュエータを光学システムの光軸合せに応用する共同研究などを行った。SMAアクチュエータにより光波長レベルの精密微調整が行え、光システムの小型化に有効であることを示した。(5)新しい形状記憶合金であるNi_2MnGaについて研究を行い、マイクロアクチュエータへ応用するために、電磁・熱・機械的特性を評価した。
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