研究課題
3か年継続研究の初年度としてフィンランドチームが2班に分かれて来日し、米沢・福井・東京・札幌を移動して視察・調査した結果フィンランドとの対比において、以下の指摘があった。1.山形大学ソ-ラアクイファの視察・調査。 地層が複雑であり、精密な物理定数を測定しないかぎり、フィンランドチームの開発したシミュレーションコードTHETAを適用することは出来ない。前段階として、実験室規模の模型実験による照合作業が必要である。2.山形大学地下水人工涵養施設。透水量係数の数値が極めて大きい。3.米沢市の水源:水窪ダム。 滞留時間が長すぎる。富栄養化が進むと藻の発生が問題となるであろう。4.山形県企業局笹野浄水場。 バクテリアの分析調査を併行させるべきであろう。5.米沢市下水道処理施設。6.最上川流域。 水田の地下水涵養量が大きい。地下水源としても水田の保存は重要。7.吾妻硫黄鉱山鉱毒水の地下注入処理場。 レドックス電池効果は活用できないか?8.福井大学および福井地区蓄熱利用システム。朝鮮半島経由の大陸との文化交流が忍ばれる。9.東京都下水道局多摩川上流処理場。 オゾン減菌装置に感銘。10.野火止め上水・玉川上水の清流復活事業。 世界に誇れる事業。地下水人工涵養の効果も数量的に把握する価値がある。11.北海道リハビリ帯水層蓄熱利用システム。 民間の力で帯水層蓄熱法も含め、複合利用に感銘を受けた。以上総合して、フィンランドのメンバーにとっては、初めての訪日。アジアモンスーン地帯の気象特性、火山国特有の地形、河川水質、帯水層及び地下水の特性を体で認識した。これらは、境界条件の打ち合せに非常に有益である。
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