超高品質画像技術に関する基礎研究

1995 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 07044137
• 研究機関: 北陸先端科学技術大学院大学
• 研究代表者: 宮原 誠 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (00115122)
• 研究分担者: ALGAZI V.R. UC/Davis, CIPIC, Professor ; BRANDT J.W. UC/Davis, CIPIC, Research A ; 甘 青 日本電気(株), マルチメディア事業推進本部, 研究員 ; MAITRE H. ENST, Dep. Images, Professor ; 小野 定康 NTT伝送システム研, 主幹研究員 ; 堀田 裕弘 富山大学, 工学部, 講師 (80209303) ; 小谷 一孔 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (20225452) ; 中嶋 正之 東京工業大学, 工学部, 教授 (60092566) ; 三宅 洋一 千葉大学, 工学部, 教授 (70027895) ; 原島 博 東京大学, 工学部, 教授 (60011201) ; 酒井 義則 東京工学大学, 工学部, 教授 (70196054) ; 安田 靖彦 早稲田大学, 工学部, 教授 (40013106)
• キーワード: 高品質画像 / 均等色空間 / 画質評価 / メディア変換 / 感性情報

研究概要

(1)超高品質テスト画像の試作、評価
ヨーロッパにおける美術作品の電子的保存についての調査から、美術としての高度な感性情報の保存には超高品質画像を保存・処理できるシステムの研究が急務であることが再認識された。特に超高品質画像に対する心理的要因と物理的要因の解析のため、テスト画像の作成が重要であることが確かめられた。更に、超高品質テスト画像では空間的な高解像度だけでなく、信号の解像度(非常に高い階調性)が重要となり、これを盛り込んだテスト画像を試作した。欧米の研究者らとテスト画像の評価を行い、得られた問題点を改善した新たなテスト画像の作成に取り組むこととなった。
(2)画像品質の評価システムの検討
均等色空間での感性情報抽出方法とその寄与率を求める基礎検討を行い、符号化によって劣化した画像品質を評価するシステムについて検討した。JPEG符号化方式に限れば、主観評価値を90%以上の精度で近似できる評価尺度を構築できた。今後、他の符号化方式での評価精度の評価などの検討を行う。
(3)RGB系からHVC均等色空間への高精度変換アルゴリズムの開発
均等色空間での効率よい高品質画像処理検討のため、信号処理ツールとしてRGB系からHVC均等色空間の変換プログラムの配布への強い要望があった。このため、変換精度の改善と高速化のためのアルゴリズムの改善とWSやPC機種依存性を出来るだけ排除した変換プログラムを作成した。
その他
CD-ROMやディスプレイ等の電子メディア系と写真、書籍、絵画などを含む印刷系間の変換(メディア変換)についてヨーロッパでの美術館と大学の取り組みについて調査した。

研究成果

• [文献書誌] M.Miyahara,et al.: "Vector Quantization Coding based on the Codebook of Essential Curved Surface of Images" PCS-96. vol-I. 59-62 (1996)
• [文献書誌] W.Zheng,原島: "不変特徴に基づく3次元曲面の表現" 電子情報通信学会論文誌. J78-D-II. 272-280 (1995)
• [文献書誌] K.Kotani,et al.: "Objective Picture Quality Scale for Color Image Coding" ICIP-95. vol.-III. 133-136 (1995)
• [文献書誌] 堀田,片山,村井: "感性空間構築のための2色配色方向依存性に関する検討" テレビジョン学会誌. vol.49. 1087-1089 (1995)
• [文献書誌] Y.Horita,et al.: "Construction of Color Sensitivity Space for an Sensitivity Information Extraction" Conf.on Computer Vision. vol.3. 263-267 (1995)
• [文献書誌] 周、羽石,三宅: "電子内視鏡画像解析による潰瘍性大腸炎の病期分類" 電子情報通信学会論文誌. J78-D-II. 1231-1235 (1995)