研究課題
情報スーパーハイウェー技術の進展に伴って、高度に分散したコンピュータシステムを経済的に利用できるハードウェア的基盤が整いつつある。しかしながらこの上でのソフトウェアとしてはマルチメディア伝送が主であり、広域に分散したシステム上で人間が協調するためのソフトウェアは技術上まだ解決すべきことが多い。このため本研究ではデータベース技術を基本として、特に多数の競合する処理を効率よく行うための分散トランザクション処理と実時間処理を中心に共同研究を行うと共に、それを協調処理に役立てるためのプロトタイプの試作を行いつつある。データベース、分散トランザクション処理、分散オブジェクト管理、エージェント等に対する理論的考察と共に、論理回路の協同設計システム等のプロトタイプを開発し、その成果を理論へフィードバックして理論および実際の両面からの研究開発を行う。本年度の主な成果は次のとおりである。1)広域分散協調を考えたシステムの基本設計を行なった。2)そのための新しいデータベースモデルとして代行オブジェクトモデルを導入した。3)共同論理設計のための基礎として、FPGA設計の手法を開発した。パ-デュー大学則では、分散トランザクション処理の手法のうち、特にトランザクション間の優先順位をつける方式について分散協調への利用を行ない、デッドロックについても利用者との交渉を入れた新しいモデルを開発した。イリノイ大学では、実時間処理とデータベーストリガー(条件が満足されたことを検出して自動的に動作)との関連について成果を得た。
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