研究分担者 |
木實 新一 京都大学, 工学研究科, 助手 (70234804)
古川 哲也 九州大学, 経済工学部, 助教授 (00209165)
RUNDENSTEINE エルカ ミシガン大学, 計算機科学科, 助教授
LIU Jane イリノイ大学, 計算機科学科, 教授
ELMAGARMID A ベル通信研究所, 研究員
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研究概要 |
情報スーパーハイウェイ技術の進展に伴って,高度に分散したコンピュータシステムを経済的に利用できるハードウェア的基盤が整いつつある.しかしながら,この上でのソフトウェアとしてはマルチメディア伝送が主であり,広域に分散したシステム上で人間が協調するためのソフトウェア技術は技術上まだ解決すべきことが多い.このため本研究ではデータベース技術を基本として,特に多数の競合する処理を効率よく行うための分散トランザクション処理と実時間処理を中心に共同研究を行うとともに,それを協調処理に役立てるためのプロトタイプの試作を行っている.データベース,分散トランザクション処理,分散オブジェクト管理,エージェント等に対する理論的な考察とともに,論理回路の共同設計システム等のプロトタイプを開発し,その成果を理論へフィードバックして理論および実際の両面から研究開発を行う. 本年度の主な成果は次のとおりである 1)昨年の成果として導入した代行オブジェクトモデルにもとづき,広域分散協調を考えたシステムのプロトタイプ開発を行った.プロトタイプの利用経験をシステム内に知的なエージェントを導入するための基本的な検討に結び付ける. 2)時間的な分散(すなわちシステムを同時に使用することを仮定しない)を取り扱うために,データベースのビュー機構を拡張した概念を導入した. 3)共同論理設計ツールの基本部分の開発を行った. ベル通信研究所側では,特にマルチデータベース環境における分散トランザクションの性質の検討を行った.イリノイ大学側では,誤りをできるだけ少なくするような実時間処理方式の提案を行った.ミシガン大学側では,分散オブジェクト環境におけるビューのモデルと効率のよい処理方式に関して成果を得た.
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