研究課題/領域番号 |
07044156
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
福岡 捷二 広島大学, 工学部, 教授 (30016472)
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研究分担者 |
ETTEMA Rober アイオワ大学, 土木環境工学科, 教授
NAKATO Tatsu アイオワ大学, 水理研究所, 副所長
渡辺 明英 広島大学, 工学部, 助教授 (00240474)
山田 正 中央大学, 理工学部, 教授 (80111665)
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キーワード | ミシシッピ-川 / 洪水氾濫 / 異常洪水 / 危機管理 / 洪水防御 / 氾濫原 / 避難 / ボランティア |
研究概要 |
1993年に起きたミシシッピ-川の大洪水は、最近規模の洪水であり、その被害規模は甚大であった。この災害は、異常外力に対する災害防除のあり方について多くの教訓を残した。洪水期間中及び洪水後に行われた詳細な調査結果は、米国のみならず、わが国に防災対策上極めて重要である。このため、ミシシッピ-川流域の現地調査を行い、アメリカの研究調査機関及び行政機関へ研究者を派遣して洪水時の状況について情報と資料の提供を受けた。また、災害時の情報伝達や洪水予報システム、水防体制、避難体制などがどのように機能したかについて情報を収集し、日本における危機管理のあり方との違いについて議論した。以下に得られた情報をまとめる。 大規模な災害をもたらしたミシシッピ-川の氾濫は、上流部・中流部の治水計画の見直しを迫るものであったが、このような洪水に対し、今後どのようにすべきかということについて、未だ結論は得られていない。これは、日本では官僚機構が行政を担当するのに対し、アメリカでは政治がこれを直接的に決めるためである。このように、危機管理のあり方は単なる技術論だけで決まるものではなく、政策及び意志決定システムまでに関わる大きな問題である。アメリカでは、危機管理活動やボランティア活動が有効に機能し、被害の拡大を防止している。これは、これらを統括するシステムと権限が明確なためである。 平成8年度では、日米の治水計画・河川構造物の設計論を比較検討し、治水計画、河川構造物計画の将来のあり方について提言する予定である。
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