研究分担者 |
ZHON Min Jin ブラッドフォード大学, 機械工学科, 講師
FISHER John リーズ大学, 機械工学科, 教授
日垣 秀彦 九州大学, 工学部, 助手 (00238263)
澤江 義則 九州大学, 工学部, 講師 (10284530)
大月 伸男 九州大学, 工学部, 助教授 (60127991)
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研究概要 |
当初案に近い形で本研究を実施できたが,総予算や日程調整上の制限などにより,九州大学からは2名を派遣し,リ-ズ大学からは1名を招へいした.リ-ズ大学からは,分担者のジン講師が来日した.また,リ-ズ大学で開催された第23回トライボロジーに関するリ-ズ-リヨンシンポジウムでは,相互の研究成果を発表した.本研究では,生体関節における潤滑機構の解明と,人工軟骨を有する次世代人工関節の設計指針の確立を主目的として,両大学の共同研究を進めている.本年度の相互の訪問と討議において,両大学における潤滑機構関連の研究成果について理解を得るとともに,今後の共同研究の指針を協議できた. まず,生体関節の潤滑機構に関しては,リ-ズ大学で進められた弾性流体潤滑の理論的研究や実験的研究と,九州大学における振子試験やラングミュアーブロジェット膜を含む摺動試験の実験的研究とを総括することにより,薄膜条件下の多モード適応潤滑機構の根幹を提示できた.まず,歩行条件下における生体関節の潤滑膜の変化をEHL数値解析により求め,潤滑モードの変化を関節モデルのシミュレータ試験と対応づけた.さらに,環境潤滑の影響を摩擦実験と表面解析により評価し,薄膜潤滑時におけるリン脂質や蛋白成分の潤滑効果を実証できた. 人工関節に関しては,ポリウレタンやPVAおよびセミIPNハイドロゲル系人工軟骨の物性と歩行条件下における潤滑特性の関連を実験的に評価し,有効性と問題点を把握した.シミュレータ試験による人工関節・人工軟骨のトライボ性能を評価し,材料特性や形状設計の影響とヒアルロン酸濃度や蛋白成分,リン脂質の潤滑効果を明らかにした.潤滑性能の向上に関して,両大学で共通材料や共通潤滑液を使用した試験を試みつつある.
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