研究課題/領域番号 |
07044165
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
水工水理学
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
荻原 国宏 東洋大学, 工学部, 教授 (60058071)
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研究分担者 |
ANGGARHINI Institute of Technology Sepuluh Nopember, Lecturer
ANWAR Nadjad Institute of Technologh Sepuluh Nopember, Lecturer D
田中 修三 東洋大学, 工学部, 助教授 (40139043)
福井 吉孝 東洋大学, 工学部, 教授 (60058146)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | 2相流 / 汽水域 / 塩分濃度 / 塩田 / 養殖池 / 塩分拡散 / 押し込み流れ |
研究概要 |
平成7年度から継続して来たこの研究ではインドネシア、スラバヤ北部を流れるLamong川の塩水遡上現象の現地観測から開始した。この観測で乾季での河川内の塩分濃度は強混合形であることが判明し、この原因を考察する過程で河川に付随している塩田、蝦の養殖池の存在が浮上してきた。この熱帯性の河川では日本で観測される弱混合型のいわゆる塩水楔は観測されず、この種の現象を支配するパラメーターとしてタイダルプリズムによる塩水供給容積と淡水流量の関係式が当てはまることが判明した。塩田の方の現象としては河川の潮汐変化に伴う塩田の水位変動と塩田内の塩水の濃度分布が研究の対象となった。前者の現象は非線形の水位応答問題として理論解析が展開できた。現地の塩田は河川に直結した塩田から、いくつかの塩田がシリーズでつながっており、より現象を複雑にしている。理論解析もこのシリーズ化した塩田の水位応答についても行った。後者の問題は塩田内の塩分濃度を支配する要因として河川から供給される塩水、蒸発、漏水があり、これらの各課程を分析し、現象の理論展開を行い、池の中の塩分濃度が池の奧に行くほど高くなる現象を明らかに出来た。 平成9年には、この研究の対象河川であったLamong川流域はインドネシア経済の発展によって工場地帯へと変貌してきており、塩田が埋め立てられて工場用地となってきている状況の調査を行った。現在ダムの建設が行われており、将来下流河川は完全に塩水化することになる。このため今後はこのダムの建設の影響の調査研究を継続する必要性を確認した。また研究対象項目としてを、より広範囲に展開するために。Brantus川の上流から下流までの諸問題について、このグループと海岸工学、リモートセンシング研究のグループで共同研究する方向に展開する方法について検討した。Brantus川の上流では土砂の移動に伴う河川の断面維持、ダム貯水容量の維持が問題となっており、中流域では建設資材としての土砂採取による河床底下が問題となっている。また下流域では都市内の洪水時の水の排水、海岸の進出、マングローブ林の伐採による海岸線の変化など研究対象としては多くの興味ある問題が出てきている。平成10年度に基礎調査をし平成11年度から本格調査研究をITSスタッフと展開する予定である。
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