研究分担者 |
藤本 哲男 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 講師 (50267473)
富岡 淳 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (40217526)
TEOH S.H シンガポール国立大学, 工学部, 助教授
CHEW Y.T. シンガポール国立大学, 工学部, 教授
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研究概要 |
昨年度の研究で三次元形成ワークステーションを用いた粘弾性管の製作法の確立の目処が立った.そこで本年度はこの機械の幅広い応用の可能性を探る目的で,血液ポンプの内部コーティングに利用できるかどうかの検討を行った. 血液の流れを渦状にすることで淀みを少なくし,血栓形成をできるだけ防ぐ目的で作られた旋回渦流型補助人工心臓がある.しかしこのポンプにおいても,血液室内のハウジングと血液を流動させるために空気圧駆動で上下するダイアフラムとの間(D-H Junctionという)で血栓が形成される場合がある.この血栓の生じる原因をD-H Junction部の接着部分における段差にあると考え,ポンプ内面を一体コーティングすることでこの段差を解消することを考えた.今年度は抗血栓性材料であるセグメント化ポリウレタン(ミラクトランE-380)による適正コーティング条件を求めることを目的とし,そのコーティング作業に用いられる回転型成形機の最適運転条件を求めた.この回転型成形機は,互いに垂直な二軸を回転させることにより三次元的な挙動を制御でき,かつ温度調節が可能な装置である.いくつかの試行の結果,Major軸1.00[rpm],Minor軸1.25[rpm]の回転数,オ-ブン内温度50℃の条件において,ダ.アフラムの膜厚のばらつきが0.48%と最も均一なコーティングが得られることがわかった.またin-vitroにおける水力学的特性試験により,コーティング処理がポンプの特性に与える影響は極めて微少であることもわかった.このコーティング処理を行ったポンプと未処理ポンプの抗血栓性を比較するために血液温度37℃,流量5[L/min]を条件にin-vitroにおける血栓形成試験を行った.その結果,コーディング処理を行ったものの方が,血栓を殆ど生じないという結果が得られた. 以上のようにシンガポールと共同研究を進めている三次元成形ワークステーションの新しい利用法が明らかになった.
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