研究課題/領域番号 |
07044177
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤井 義明 東北大学, 理学研究科, 教授 (00098146)
|
研究分担者 |
WHITELAW Mur カロリンスカ研究所, 研究員
GUSTAFSSON J カロリンスカ研究所, 教授
POELLINGER L カロリンスカ研究所, 準教授
依馬 正次 日本学術振興会, 特別研究員
菊池 康夫 東北大学, 理学研究科, 助手 (10004467)
十川 和博 東北大学, 理学研究科, 助教授 (80175421)
|
キーワード | 転写因子 / ダイオキシン / Ahリセプター / bHLHドメイン / PASドメイン / 転写活性化ドメイン / シトクロムP450 / Sp1 |
研究概要 |
Ahリセプター(ダイオキシンリセプターとも言う)はbHLH/PASドメインを持ち、Arntとヘテロ2量体を形成して転写を活性化する因子である。今年度は主として機能ドメインの決定、転写におけるSp1との相互作用、Ahリセプター類似転写因子の探索を行った。機能ドメインの決定においてPocllingerのグループは主としてPAS領域の機能の検討を行い、我々は転写活性化ドメインの決定を行った。PASドメインはヘテロ2量体形成、HSP90との結合、リガンドとの結合に関与していることが明かとなり、転写活性化ドメインはAhリセプターではC末端側に少なくとも2ヶ所、ArntはC末端から約30アミノ酸部分に存在することが明かとなった。またCYP1A1遺伝子の転写活性化にはもうひとつの転写制御配列 BTEに結合するSp1とAhR/Arntのヘテロ2量体は相互作用をして、各々の制御配列への結合力を強めることが分かった。この相互作用にはSp1のZnフィンガー部分とAhR/ArntのbHLH/PAS領域が関与していることが明らかになった。ショウジョウバエの中枢神経の発達に重要な役割を果たすSimもbHLH/PASドメインを持つ転写因子であるがcDNAクローニングの結果、構造的によく似た2つのcDNAがマウスの胎児のライブラリーより得られた。更にArntと類似のタンパク質をコードするcDNAも得られて、このbHLH/PASの新しいモチーフを持つ転写因子は一群のファミリーを形成することが分かってきた。更にマウスの発生において、Ahリセプターも含めてこれらの因子は特徴的な発現パターンを示したので、器官形成などに重要な役割を果たしていることが考えられた。Ahリセプター遺伝子の欠失マウスも得られているのでホモ接合マウスを作製して詳細な機能の解析を行う予定である。
|