研究課題/領域番号 |
07044178
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
鎌田 博 筑波大学, 生物科学系, 教授 (00169608)
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研究分担者 |
下村 講一郎 厚生省国立医薬品食品衛生研究所, 筑波薬用植物栽培試験場・育種生理研究室, 室長
猪口 雅彦 岡山理科大学, 理学部, 講師 (00213190)
川上 直人 明治大学, 農学部, 専任講師 (10211179)
佐々木 和生 青森大学, 工学部, 助手 (40285573)
小柴 共一 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (80117704)
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キーワード | 高等植物 / 胚発生 / 植物ホルモン / 情報伝達 / 遺伝子発現制御 / 機能分化 / 分子機構 / 雌雄性 |
研究概要 |
本年度は、日本人研究者6名を短期あるいは中期でフランスに派遣し、以下の課題について共同研究を実施した。1.植物ホルモン代謝と情報伝達:昨年に引き続き、仏側が単離したさまざまな突然変異体を用い、日本側の有する生化学的・分子生物学的技術を駆使することで、その原因遺伝子の単離に努め、世界で初めて高等植物のアブシジン酸合成酵素遺伝子の単離・解析に成功した。2.胚発生と遺伝子発現調節機構:仏側がシロイヌナズナから単離した胚に特異的なアブシジン酸情報伝達の仲介タンパク質遺伝子(転写調節因子)を利用して日本側で単離したニンジンのホモローグを用い、この遺伝子を過剰に発現させた形質転換体や形質転換細胞を育成・解析し、このような転写制御因子によって発現が制御されている遺伝子群を明確にすることができ、さらに、この因子及び遺伝子群が実際に乾燥耐性獲得に関与することを明らかにした。3.新たな細胞分裂促進因子:日仏双方で、実験系は違うものの、植物細胞の分裂を促す新たな因子であるペプチド性細胞増殖因子に関する研究が進み、植物における細胞分裂機構の新たな一端が明らかにされた。4.有用物質生産:日仏双方が誘導した各種植物の毛状根を用い、アルカロイドやタンニン等の生産が確認された。 一方、本共同研究によって招へいしたフランス人3名を含むフランス研究者16名(大部分の方の渡航・滞在費用はフランス大使館が支給した)と日本人研究者47名が参加し、「植物生理学および植物分子生物学」に関する日仏合同会議を11月につくばで開催した。本会議では、互いの研究成果の発表と意見交換を行うと共に、今後の共同研究の打ち合わせを行った。本合同会議の開催に際しては、フランス大使館科学技術部の多大な支援があり、本分野における今後の緊密な日仏連携が討議され、今後の互いの協力が確認された。
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