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1995 年度 実績報告書

寄主一寄生者系の空間的プロセスと生態的・遺伝的多様性の維持機構

研究課題

研究課題/領域番号 07044180
研究機関東京大学

研究代表者

嶋田 正和  東京大学, 教養学部, 助教授 (40178950)

研究分担者 HASSELL M.P  インペリアル, カレッジ・生物学科, 教授
GODFRAY H.C.  インペリアル, カレッジ・生物学科, 教授
巌佐 庸  九州大学, 理学部, 教授 (70176535)
キーワード宿主 / 寄生者 / ダイナミクスの持続性 / 共進化 / 齢構成 / 病毒性 / 群集構造 / 相互作用ネットワーク
研究概要

本年度では、寄主一寄生者系の共存のダイナミクスと共進化に関して以下のような成果が得られた。
(1)寄主一寄生者系の齢構成モデルの構築:昆虫のように複数の発育段階から成る集団では、寄生者は特定の発育段階にのみ寄生する。このような特異性は、両者の共存と共進化に多大な影響を与えると思われる。まず、推移行列な遅れの微分方程式などを用いて、寄生昆虫と寄生蜂の系、宿主と病原体の系についてダイナミクス解析を行い、共存を促進する要因の作用を分析した。この研究は主に嶋田とGodfrayによりなされた。その結果、寄生を受ける期間の長さが重要であることが分かった。
(2)寄主一寄生者系の共進化の数理的解析:宿主と病原体の共進化を対象に、両者が相互作用の関係を持続して、その結果、いかなる生活史特性が両者にとって適応的かを解析した。これは、主に巌佐とハッセルによりなされた。その結果、宿主は抵抗性を増進させる方向へ、そして病原体は病毒性を減少させる方向へ進化が進むことを見いだした。
(3)寄主-寄生者系の群集構造:嶋田はマメ科宿主植物と種子捕食性昆虫の系で、またGodfrayは食葉性昆虫とその寄生蜂の系を対象に、相互作用のネットワークを分析した。その結果、複雑な相互作用を仲介するキ-となる種の存在が確認され、それらの少数種を介する相互作用網の密な部分と、介さない粗な部分の異質性があることを見いだした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Shimada,M.& Tuda,M.: "Delayed density dependence and oscillatory population dynamics in overlapping-generation systems of a seed beetle Callosobruchus chinensis." Oecologia. 105. 119-125 (1996)

  • [文献書誌] Tuda,M.& Shimada,M.: "Developmental schedules and persistence of experimental host-parasitoid systems at two different temperatures." Oecologia. 103. 283-291 (1995)

  • [文献書誌] Tuda,M.,Fukatsu,T.& Shimada,M.: "Species differentiation of bruchid beetles (Coleoptera:Bruchidae)analyzed by mitochondrial DNA polymorphism." Appl.Ent.Zool.30. 377-380 (1995)

  • [文献書誌] Antonovics,J.,Y.Iwasa and M.P.Hassell: "A generalised model of parasitoid,veneral,and vector-based transmission processes." American Naturalist. 145. 65-75 (1995)

  • [文献書誌] Iwasa,Y.and S.A.Levin: "The timing of life history events." Journal of theoretical Biology. 172. 33-42 (1995)

  • [文献書誌] Briggs,C.J.and H.C.J.Godfray: "The dynamics of insect-pathogen interactions in stage-structured populations." American Naturalist. 145. 855-887 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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