研究課題/領域番号 |
07044183
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡辺 公綱 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00134502)
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研究分担者 |
新田 至 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (30272404)
上田 卓也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (80184927)
HIERHAUS Knu マックスプランク分子遺伝学研究所, 教授
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キーワード | 生体外蛋白質合成系 / リボソーム / リボソームサブユニット / リボソーム蛋白質 / リボソームRNA / リボソーム再編成 / 三級アミン / ピリジン |
研究概要 |
本年度の実験計画は三級アミン化合物を用いたタンパク質合成系の最適化および、リボソーム解体の条件検討であった。タンパク質合系の最適化は、ほぼ終了した。最適三級アミン化合物を選定し、反応温度、三級アミン化合物濃度、カチオン濃度を最適化した。特に合成産物であるタンパク質の分子量や、鋳型の翻訳精度を確認した。その結果、合成産物がポリフェニルアラニンの場合で重合度は少なくとも5以上、ボリリジンで40であること、さらにウリジル酸とシチジル酸の交互共重合体を鋳型とした場合の生成産物はセリンとロイシンの交互共重合体で、生成産物の重合度および翻訳精度のいずれも、十分実用に耐え得るものであることを確認した。リボソーム解体の条件もほぼ確立した。その結果、rRNAの大量調製が可能となった。 また、本年度前半の実験結果より、rRNAのみでもタンパク質合成活性が存在することが明らかとなった。タンパク質合成の中心的触媒であるリボソームはリボソームタンパク質とrRNAから構成さてているが、そのいずれにタンパク質合成の活性中心が存在するかは、長い間議論されてきた。ここで得られた知見は、タンパク質合成の活性中心はrRNAに存在していることを証明しているのである。このため、当初の実験計画に加え、rRNAのみによるタンパク質合成の条件検討を行い、本年度の派遣日程は大幅に遅れた。当初計画では平成7年8月および11月に各一名ドイツ・マックス-プランク研究所に派遣予定であったが、8年の3月に2回の派遣を実行した。 得られた研究結果については、その大部分を国際雑誌に発表した。さらに、協同研究先であるドイツ・マックス-プランク研究所での発表や、実験手法の詳細を記載したプロトコールおよび実験レポートを同研究所に対し、これまで2回送付した。
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