研究分担者 |
WALKER V. クィーンズ大学, 生物学科, 教授
WYATT G.R. クィーンズ大学, 生物学科, 教授
三浦 健 三重大学, 医学部, 助手 (60219582)
松岡 裕之 三重大学, 医学部, 講師 (10173816)
安藤 勝彦 三重大学, 医学部, 助教授 (90024710)
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研究概要 |
ホソヘリカメムシ(Rcと略)の幼若ホルモン(JHと略)応答性の体液タンパク質シアノプロテイン(CPと略)CP-aとCP-bの遺伝子の上流域につきそれぞれ1000及び450bpsまでの塩基配列を解析した。その結果,多数のパリンドロ-ミックな配列とそのリピートが観察された。CP-aとCP-bとのhomologyは-100塩基上流までは非常に高いが,それ以上上流になると低かった。このうち核リセプター応答配列のconsensusに類似する配列(AGGTCA)や貯蔵タンパク質SP遺伝子に共通する上流域配列と類似の配列でGATA-1タンパク質の認識配列(TGATAG)を含む配列に注目し,これをprobeとして各種脂肪体核抽出液を用いてgel mobility shift assayを行ったところ,AGGTCA配列はCP-a遺伝子の非休眠雌特異的発現と強く関係し,TGATAGを含む配列はCP-b遺伝子の発現と対応するshiftが観察され,JHによるCP-a,CP-b遺伝子発現の調節がこれらの配列とこれらに結合する因子に強く依存することが示唆された。又,CP-a,b遺伝子上流域のdeletionを含む各種mutant配列を用意し,これらとG-free CassetteとからなるConstractを作成し,トノサマバッタ(Lmと略)脂肪体核抽出液を用いたin vitro transcriptionによる転写活性を検討した。CP-aについては-500bp,CP-bについては-250bp前後に転写を制御している領域のあることが判明した。現在更に詳細な検討を行っている。また,一方でDifferential Display法を用いJH処理直後に発現が誘導あるいは抑制されるいわゆるearly geneの検索を行い,複数の極く初期に反応する遺伝子を検出した。これについても現在検討を進めている。
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