研究課題/領域番号 |
07044206
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
和田 正三 東京都立大学, 理学部, 教授 (60011681)
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研究分担者 |
SILVERTHORNE ジェーン カルフォルニア大(サンタクルズ校)生物, 準教授
HARTMANN Elm ベルリン自由大学, 植物生理微生物, 教授
LAGARIAS J.C カルフォルニア大(デーヴィス校)生化生物物理, 教授
鐘ケ江 健 東京都立大学, 理学部, 助手 (70264588)
門田 明雄 東京都立大学, 理学部, 助教授 (60152758)
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キーワード | シダ / コケ / 藻類 / 裸子植物 / フィトクロム |
研究概要 |
本年度は各グループは自己の材料についてのフィトクロム遺伝子のアミノ酸配列の解明に重点をおき、解析を行った。また相互協力による技術・知識の交換を行った。 我々はホウライシダ(Adiantum capillus-veneris)遺伝子ライブラリーから、以前に解読したcDNAをプローブとして、新たに3種類のフィトクロム遺伝子を単離し、現在解読中である。その内の一つは、M末端は従来のフィトクロムの配列と共通であるが、C末端側は今までに一つだけコケで報告されているのもに類似の構造、すなわち蛋白質燐酸化酵素の作用ドメインを有していた。このことはフィトクロムの作用機作解析に非常に有効、かつ興味深いものである。また、アメリカのグループは藻類(Mesotaenium)のフィトクロムが六種類存在していること、その内少なくとも二つはアミノ酸配列がほとんど一致していることを明らかにした。ドイツのグループもコケ(Ceratodon)のフィトクロムのアミノ酸解析の結果従来知られていたものとは異なる従来型のフィトクロムの存在を明らかにした。 単離した遺伝子の機構を明らかにするため、その遺伝子を相同組み替えの技術を使用して細胞内で破壊する方法、すなわちホモロガスリコンビネイションの可能性を追求した。シダでは35Sプロモーターに標識遺伝子としてGus遺伝子を接続したものを金粒子とともに細胞内に打ち込みその発現様式を確かめた。この結果遺伝子の細胞内導入が可能であることが分かった。一方、ドイツのグループはコケの相同組み換えに成功し、実用化にむけて研究をしており、日独の研究者交換により我々はその技術を学ぶことができた。またアメリカのグループは酵母を使用して、フィトクロム結合蛋白質の探索を行っており、我々も研究者派遣による相互乗り入れの結果、共同研究者としてその技術を修得した。
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