中国産野生遺伝子変異マウスの検索と育成に関する日中共同研究

1996 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 07044207
• 研究機関: 総合研究大学院大学
• 研究代表者: 森脇 和郎 総合研究大学院大学, 副学長 (50000229)
• 研究分担者: GAIBOV N ウズベク国際交流機構, 所長 ; AKBARZADEH J ラジ州立研究所, 所長 ; KRUYKOV A 土壌学生物学研究所, 部長 ; 王 鳳山 天津市労働衛生職業病研究所, 副主任 ; 于 国徳 天津市労働衛生職業病研究所, 研究員 ; 金 攻蕾 上海実験動物中心, 主任 ; 李 海 天津市労働衛生職業病研究所, 所長 ; 孟 筱くぃ 蘭州生物製品研究所, 研究室主任 ; 呉 祥林 蘭州生物製品研究所, 副所長 ; 王 成懐 蘭州生物製品研究所, 名誉所長 ; 坂井 俊之助 金沢大学がん研究所, 助教授 (90092783) ; 松田 洋一 名古屋大学, 農学部, 助教授 (70165835) ; 鈴木 仁 北海道大学, 理学部, 助教授 (40179239) ; 土屋 公幸 宮崎医科大学, 助教授 (30155402) ; 米川 博通 東京都臨床医学総合研究所, 実験動物, 部長 (30142110) ; 宮下 信泉 香川医科大学, 助教授 (10190779) ; 城石 俊彦 国立遺伝学研究所生保センター, 助教授 (90171058)
• キーワード: 野生マウス亜種 / ロシア東部 / ウズベキスタン / 野生系統育成 / 地理的分布 / 剥製標本 / 画像データベース / 遺伝的分化

研究概要

(1)中国産野生マウスに由来する実験用近交系統の育成は、天津労働衛生職業病研究所を中心に進められ、兄妹交配10世代を越える系統が数系統育成され、それらの系統特性に関する調査と共同研究としての情報交換が行われた。
(2)中国産野生マウスを採集し遺伝子を調査する共同研究については、最近中国政府が方針を変更し、哺乳動物遺伝子を対象とする日中共同研究に関しては、中国国家科学技術委員会の許可を必要とする事になったため、その申請手続きを進めているが、招聘状の発行が3月末になるとのことで年度内の渡航に間に合わなかった。
(3)ロシア東部地域の野生マウスの採集調査は、ウラジオストックの科学アカデミー生物学土壌学研究所との共同で進められ、今回は遠くロシア中央部のカザフスタンの野生マウスをも採集することが出来た。分類学的な調査ではワグネリ-亜種とされたが、現在ミトコンドリア等の遺伝子DNAの分析を行っている。
(4)ウズベキスタンを中心とする中央アジアの野生マウスは、ハツカネズミ亜種の遺伝的分化と地理的分布の研究にとって重要な位置付けにある。今回ウズベキスタン共和国科学アカデミー所属の動物学研究所と連絡が出来、タシケント地区から採集調査を行ったところ、ワグネリ-亜種が分布していることが明らかになった。この亜種の遺伝的特性の分析は現在ミトコンドリアDNAやリボソームDNAを対象に進められている。
(5)マウス剥製標本の精密な画像データベースを構築するため、これまでに収集した標本に加えて、基準となるべき世界の主要な自然史博物館の標本の写真を撮影するため、ロンドン、パリ、ニューヨーク、ワシントンの博物館を訪問し資料を収集した。

研究成果

• [文献書誌] Reuss,Moriwaki et al.: "Genetics of intracisternal -A- particle proviral elements in mice." Jour.Virol.70. 6450-6454 (1996)
• [文献書誌] Ohtsuka,Moriwaki et al.: "Presence absence polymorphism of p53 in Genus Mus." Mol.Phylogenet.Evol.5. 548-556 (1996)
• [文献書誌] Morita,Moriwaki et al.: "LCMV virus in wild mice of China." Microbiol.Immunol.40. 313-315 (1996)