研究課題/領域番号 |
07044207
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研究機関 | 総合研究大学院大学 |
研究代表者 |
森脇 和郎 総合研究大学院大学, 副学長 (50000229)
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研究分担者 |
鈴木 仁 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (40179239)
土屋 公幸 宮崎医科大学, 附属動物実験施設, 助教授 (30155402)
米川 博通 東京都臨床医学総合研究所, 実験動物研究部門, 部長 (30142110)
宮下 信泉 香川医科大学, 医学部, 助教授 (10190779)
城石 俊彦 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 助教授 (90171058)
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キーワード | 野生マウス / 系統育成 / ヘモグロビン遺伝子 / W1型ヘモグロビン / cDNA塩基配列 / ロシア東部地域 / 中国東北部地域 / 中央アジア地域 |
研究概要 |
(1)近年中国政府が生物資源の持ち出しを厳しく制限しているため、中国産野生マウスを素材とする実験用近交系統の育成は天津労働衛生職業病研究所において日本側との共同研究として行われている。現在、満州里由来系統 MZL-AはF7,錫林浩特由来系統 XLH-AはF6,XLH-BはF8,XLH-CはF9に達している。本年は6月の日本側の同研究所訪問と9月の同研究所の宇国徳研究員の招聘とによって、系統育成法および育成系統の遺伝的特性の調査についての共同研究も進めた。 (2)平成9年8月、ロシア科学院極東支所生物学土壌科学研究所を日本側研究者が訪問し、先方との共同研究としてシベリア各地の野生マウスを採集しそれらの遺伝子を調査した。また、平成9年9月にはロシア側研究者を日本に招聘し、これまでのデータの総合的な検討を行った。ヘモグロビン・ベータ鎖遺伝子については特に詳細な検討を行い、従来中国西域に高い頻度で見出されていたHbb-wl 遺伝子が低い頻度ではあるがシベリアおよびロシア中央部にも存在することが示された。 (3)平成10年3月にはタシケントのウズベキスタン科学院動物学研究所を訪問し、同所との共同研究として、サマルカンドおよびアフガニスタン国境のテルメッツにおいて野生マウスの採集を行い、それぞれ遺伝子分析用の試料を得ることが出来た。 (4)中国西域由来W1ヘモグロビンのb1およびb2遺伝子のcDNA塩基配列を進め、D及びP型ヘモグロビン遺伝子との比較を行った。塩基配列の相同性から見ると、b1遺伝子ではDとPが近く、W1は離れている。b2遺伝子ではPとW1が近く、Dは離れている。DとW1が古く、Pは両者の雑種に由来する組換体である可能性が示唆される。
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