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1996 年度 実績報告書

インスリンの作用機構に関する共同研究

研究課題

研究課題/領域番号 07044218
研究機関東北大学

研究代表者

田村 眞理  東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (20124604)

研究分担者 阿部 すみ子  福島県立医科大学, 助手 (50136975)
柳川 右千夫  東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (90202366)
小林 孝安  東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (10221970)
COHEN Philip  ダンディー大学, 医学部, 教授
LYNCH Kevin  バージニア大学, 医学部, 準教授
LARNER Josep  バージニア大学, 医学部, 教授
キーワードインスリン作用 / インスリンメディエーター / カイロイノシトールグリカン / プロテインホスファターゼ / 酵素活性 / 点突然変異 / 除去変異
研究概要

プロテインホスファターゼ2C(PP2C)は、様々な細胞機能の制御因子として、生理的に重要な役割をはたしている。本年度は、PP2Cのインスリンの作用点としての機能を解析する為に、分子内突然変異導入によるPP2Cの機能ドメインの解析と、突然変異導入分子に対するカイロイノ-シトールドグリカン(CIG)の添加効果についての検討を行った。
PP2CβにはC末端の十数アミノ酸の配列のみが異なる5種類のアイソフォーム(β-1、-2、-3、-4および-5)が存在するが、人工基質を用いた検討により、それらは異なった基質特異性を示すことが判明した。さらに、N末から11個以上のアミノ酸を除去することにより活性は完全に失われたが、C末端領域は100個のアミノ酸を除去するまで活性は失われなかった。以上の結果からN末端側4/5の領域(約300アミノ酸)が活性ドメインを構築することが明らかになった。
次に、活性ドメインの中で様々な生物種由来のPP2Cに保存させているアミノ酸のうち16個についてそれぞれ、他のアミノ酸に置換した変異分子を大腸菌で発現させ、それらの酵素活性を測定した。その結果、これらの16個のうちいずれのアミノ酸を変異させた場合も、活性の低下が観察されたが、特にAsp38,Asp60,His62,Arg179,Arg200およびAsp243を変異させた場合、活性がほぼ完全に失われることが判明した。
これらの変異分子種に対するCIGの添加効果を検討したところ、酵素活性を保持している変異体はすべて、CIGによる活性促進効果が観察されたが、上記6種類の活性を保持していない変異体、および、活性を示さないN末やC末の除去変異体に対しては、促進効果はみられなかった。これらの結果はCIGの作用点が活性ドメイン内に存在することを強く示唆している。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Shunsuke Kato: "Differentiation-dependent enhanced expression of protein phosphatase 2Cβ in germ cells of mouse seminiferous tubules." FEBS Lett.396. 293-297 (1996)

  • [文献書誌] Yoji Sasahara: "Okadaic acid suppresses neural differentiation-dependent expression of the neurofilament-L gene in P19 embryonal cdrcinoma cells by posttranscriptional modification." J. Biol. Chem.270. 25950-25957 (1996)

  • [文献書誌] Takayasu Kobayashi: "Enhanced UV sensitivity of yeast cells induced by over expression of Mg^<2+>-dependent protein phosphatase α (type 2Cα)." Mutation Res.362. 213-217 (1996)

  • [文献書誌] Motoko Ohnishi: "Localization of the Mouse protein serine/threonine phosphatase 2Cβ gene to chromosome 17E4-5." Genomics. 32. 134-136 (1996)

  • [文献書誌] Noriko Yokoyama: "Purification and characterization of protein phosphatase 2C in rat parotid acinar cells : two forms of Mg^<2+>-activated histone phosphatase and phosphorylation by cAMP-dependent protein kinase." Arch. Biochem. Biophys.331. 1-8 (1996)

  • [文献書誌] Masakatsu Nishikawa: "Up-regulation of protein serine/threonine phosphatase type 2C during 1α,25-dihydroxyvitamin D3-induced monocytic differentiation of leukemic HL-60 cells." FEBS Lett.375. 299-303 (1996)

  • [文献書誌] Takayasu Kobayashi: "Methods in Molecular Biology" Humana Press (in press), (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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