研究課題/領域番号 |
07044222
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
峯岸 敬 群馬大学, 医学部, 講師 (00209842)
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研究分担者 |
LEUNG Peter University of British Colombia Dept. OB/, Professor
安部 由美子 群馬大学, 医学部, 教務員 (70261857)
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キーワード | アクチビン / FSHレセプター / cAMP / カルシウム / LH / hCGレセプター |
研究概要 |
FSHレセプターを発現するCHO細胞において、FSHの添加によりレセプターの脱感作現象を観察した。このCHO細胞はcAMPを産生する機能を有し、長時間のFSHの添加により二次的に投与されたFSHに対するcAMP産生に関する反応性の低下が見られた。この細胞におけるレセプターの合成調節は、FSHの添加に影響を受けない系であるので、細胞表面に存在するレセプターからその情報伝達経路における脱感作現象を観察したことになりこの機序の解明に適した系と言える。更にこの細胞を用いて初めてFSHよる細胞内カルシウムの上昇が観察された。CHO cellは、恒常的にレセプターを発現し続ける筈であったが、実際には培養の条件により発現が減少してしまう事もあり、継代を規則的に行うことが再現性のある実験を行うために重要であった。 細胞の反応性に関してもcAMP産生については、再現性があったが細胞内カルシウムの反応性は、細胞の準備状態に左右された。 顆粒膜細胞培養系においては、FSHレセプターのmRNAレベルでのdown regulationが初めて観察され、この作用はcAMPを介するものではなくPKC系を介することが明らかとなった。 アクチビンはこのFSHによるmRNAの減少を抑制したので、アクチビンの局所の存在がFSHレセプターの増加に常に促進的に働く事を示している。 FSHレセプターがPKA系、PKC系の二つの情報伝達系を介して作用を示すことが実験上示すことができたが、実際の細胞の中ではこれらの系が同時に相互作用を示すので、相互の経路に対する影響を検討するための実験系を構築する必要がある。 現在検討中のLH/hCGレセプターに関しても同様にcAMPによりレセプターのdown regulationが観察され、更にそれぞれの情報伝達系の時間経過を観察すると時間経過により、促進的、抑制的と複雑な作用経過をとるので、この詳細を明らかにするために、geneの解析が不可欠であると考える。
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