研究課題/領域番号 |
07044226
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
岡 芳知 山口大学, 医学部, 教授 (70175256)
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研究分担者 |
DAVID James クイーンスランド大学, 分子生物学遺伝子工学センター, 上級研究員
犬飼 浩一 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
片桐 秀樹 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
谷澤 幸生 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (00217142)
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キーワード | 糖輸送担体 / キメラタンパク / 細胞内ソーテイング / Caco-2細胞 |
研究概要 |
哺乳動物促通拡散ヘキソース輸送体には、GLUT1からGLUT5までの5種類のアイソフォームが存在し、いずれも細胞膜を12回貫通し、N末端とC末端は細胞内に存在するトポロジーを有する。これらのアイソフォームは糖輸送特性に違いがあるだけでなく、細胞内での局在も異なっている。この細胞内ソーテイングについては、局性のある細胞がよいモデルとなる。 我々は、オーストラリアのJames博士の研究グループと共同研究を進め、腎尿細管由来のMDCK細胞をフィルター上に局性をもった状態で培養し、することで局性において、GLUT3はapical側にGLUT1はbasolateral側にソーテイングされることを、形態学的GLUT1がとGLUT3のGLUT1はすべての細胞の細胞膜に存在してグルコース輸送を介在する。我々は、ラットGLUT5はグルコース輸送活性は有さずフルクトース輸送体であることを示し、さらにGLUT1とGLUT5のキメラ蛋白をCHO細胞に発現させて糖輸送特性を検討し、グルコースおよびフルクトース輸送能に必要な部位を解析してきた(Inukai K et al.Endocrinology 136:4850-4857,1995)。GLUT5とGLUT1では、極性のある細胞での細胞内局在に違いがあり、細胞内ソーテイング機構についても良いモデルとなる。すなわち、GLUT5はapical側に、GLUT1はbasolateral側に局在し、消化管腔から吸収した糖を血管内に取り込むのに関わっている。そこで、細胞内ソーテイングを決定するモチーフを解明するために、GLUT5とGLUT1の間で様々なキメラを作製し、ヒト消化管上皮細胞のモデルであるCaco-2細胞に発現させ検討した。その結果、膜貫通部位6と7の間にある細胞内ループ部分がGLUT1であればbasolateral側に、GLUT5であればapical側に局在し、Caco-2細胞におけるGLUT1とGLUT5のソーテイングには細胞内ループ部分が大きな役割を演じていると考えられた(Inukai K et al.Molecular Endocrinology in press 1977)。
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