研究課題
1.SE酵素の構造と機能ドメイン 小野とPrestwichはネズミの△^<99>リコンビナントSEのE.coliでの発現系を確立し、精製SE酵素に対しフォトアフィニティ標識化合物としてベンゾフェノン誘導体を用い、基質、阻害剤、FADアナログの酵素蛋白修飾から結合ドメインの検索を行ない結合領域を推定した。2.SE酵素の調節 小野と榊原は培養細胞を用いてSE酵素の遺伝子発現調節をHMG-CoA還元酵素、LDL-Rと比較し、LPDS下でのSEmRNAの増加は細胞に25-hydroxycholesterolやコレステロール投与で量依存的に阻止され、Shechterらが解析したスクアレン合成酵素での調節と一致し、内因性に生成されたステロールが転写レベルでSE発現を調節していることが示された。熊谷はHMG-CoA還元酵素の分解過程と比べ、SEのターンオーバーはステロール感受性が低いことを見出した。3.ヒトSEゲイムDNAの単離と構造決定 榊原はヒトのゲノムライブラリーをスクリーニングし、全長11エクソンを含む17kbのヒトSE遺伝子を単離した。10個のイントロンは87から3.2kbの範囲にあった。4.ヒトSE遺伝子の染色体局在 榊原はヒトSE遺伝子をクローニングし、これをプローブにマッピングを行なった。SE遺伝子は色体8に存在し、8q24.13に局在することをつきとめ、FISH法でも確認した。この情報を基に遺伝子異常疾患の候補としてLanger-Giedion Syndromeが推定された。5.SE遺伝子のプロモーター領域の解析 榊原と小野はヒトとネズミのSE遺伝子の5´配列を決定、限られた2つの保存領域がステロールによるSE遺伝子の調節に決定的であることを示した。SS遺伝子でのShechterらによるSRE解析及びTA遺伝子でのSteinらによるレチノイン酸解析との情報交換から、SE遺伝子は主にクラシカルなSRE-like配列及びNF-Y配列がステロール調節の主要なcis-elementになっていると推定された。
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