研究課題/領域番号 |
07044236
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
桑野 良三 新潟大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (20111734)
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研究分担者 |
HERRUP Karl Case Western Reseve University, Professor
SAUER Brian National Institute of Health, Expert
NISHIYAMA Ak Cleveland Clinic Foundation, Research A
花岡 和則 北里大学, 理学部, 教授 (40189577)
熊西 敏郎 新潟大学, 脳研究所, 教授 (40018601)
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キーワード | アストロサイト / S100蛋白 / 神経機能 / ジフテリアトキシン / Cre-lox / トランスジェニックマウス / 遺伝子発現 / 免疫組織化学 |
研究概要 |
9年度に得られた研究実績は、1)神経成長円錐に存在する蛋白の同定とその機能を解析した。前年度迄に分離生成した蛋白のうち分子量48kDaと46kDaの2つについて詳細に検討した。48kDa蛋白はダイナクチン複合体を構成する淡白で神経成長円錐にあってマイクロチューブを介して細胞内小器官を移送する分子モーターであるダイニンを活性化することが知られている。我々の実験においても神経軸索内で物質移送に関わっている結果を得た。現在この蛋白については、神経機能の発達と維持に、とりわけ神経成長円錐を舞台として、どのように作用しているかを特異抗体を使用して形態学的生理学的手法を取り入れて解明している。46kDa蛋白に関しては、PCRcDNAクローニングで得られた塩基配列から蛋白構造を決定した。1回膜貫通型の糖蛋白で細胞の外側はイムノグロブリンVドメインとCドメインをそれぞれ1個づつ持っていることがわかった。イムノグロブリンスーパーファミリーに属するこの型の蛋白で神経系に圧倒的に発現しているのは今回見つけた46kDa蛋白が初めてであった。更にC6細胞にトランスフェクションの結果、この46kDa蛋白は互いに接着することができ、発生の初期から発現するので神経回路の形成に深く関与していることが予想されたので、現在その実験的な証明を行なっている。 2)本研究に関連して新しい遺伝子のプロモーターの検索を行なうのに、トランスジェニックマウス個体での遺伝子発現とその構造、染色体の位置を同時に解析できるジーントラップ法を用いた。神経細胞と心臓に優先的に発現している遺伝子と殆どすべての細胞に発現している2系統のジーントラップマウスを樹立した。これらの遺伝子のプロモーターが利用できる段階まで研究を進めた。
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