研究課題/領域番号 |
07044247
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中西 重忠 京都大学, 医学研究科, 教授 (20089105)
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研究分担者 |
横井 峰人 京都大学, 医学研究科, 助手 (40283618)
森吉 弘毅 京都大学, 医学研究科, 助手 (50263091)
影山 龍一郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (80224369)
CARON Marc G デューク大学, 医学センター・ハワードヒューズ医学研究所, 教授
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キーワード | グルタミン酸受容体 / 細胞内情報伝達系 / 酵母2-ハイブリッド法 / NMDA受容体 / カルモデュリン / 蛋白-蛋白相互作用 / Ca^<2+>情報伝達系 |
研究概要 |
本研究は、相手側Marc Caron博士との共同研究のもとに、同博士の所のNash博士を迎え(1年間滞在)、グルタミン酸受容体の細胞内情報伝達系と調節機構を明らかにするものである。具体的には、1.受容体の燐酸化による調節機構、2.受容体の活性化による細胞内情報伝達系の制御機構、3.上記細胞内情報伝達系の調節による脳神経機能のメカニズムを明らかにすることであり、本年度は以下の成果を挙げた。 1.yeast two hybrid systemを用い、AMPA型グルタミン酸受容体の中でCa^<2+>の透過に重要な役割を果たすGluR2サブユニットと神経伝達物質の分泌を調節するNSF蛋白が結合することを明らかにし、グルタミン酸受容体による伝達物質放出の新しい調節メカニズムを示す興味ある成果を得た。又メタボトロピック型受容体と結合する種々の蛋白の同定にも成功しており、現在それらの生理的機能を明らかにする解析を進めている。 2.メタボトロピック型受容体の中で、mGluR1とmGluR5は共にIP_3細胞内情報伝達系に共役し、細胞内Ca^<2+>を増加させる。本研究で、mGluR5はmGluR1と異なりCa^<2+>の増加がoscillatoryな反応を示すこと、又この反応はプロテインキナーゼCによるmGluR5の特異的なスレオニンの燐酸化によって引き起こされることを明らかにした。本研究の成果は、Ca^<2+>のoscillatoryな反応をもたらす標的蛋白を初めて明らかにしたものであり、現在脳神経機能におけるCa^<2+>のoscillationの生理学的意味を明らかにすべくノックインマウスの作製と解析を進めている。
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