• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1996 年度 実績報告書

体温調節に関わる神経機構の総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07044260
研究機関大阪大学

研究代表者

彼末 一之  大阪大学, 医学部, 教授 (50127213)

研究分担者 ROMANOVSKY A  LegacyーPortland病院体温調節研究所(アメリカ), 主任
SCHMID H.  MaxーPlanck研究所(ドイツ), 研究員
GERSTBERGER アール  MaxーPlanck研究所(ドイツ), 研究員
大和谷 厚  大阪大学, 医学部, 教授 (30116123)
キーワード体温調節 / 神経回路網 / セット・ポイント / 視床下部 / 一酸化窒素
研究概要

恒温動物の体温は発汗・血管運動・ふるえ等の自律機能,さらに行動と様々な効果器によって調節され,神経系がそれに重要な役割を果たしている.しかしこの神経機構は複雑さの故に解析が遅れ,体温調節研究の大きな壁となっている.本研究は体温調節に関わる視束前野ニューロンを形態学的,薬理学的,電気生理学的と総合的に解析し,体温調節の神経機構研究のための確実な橋頭堡を築こうとするものである.研究代表者の最近の研究で,体温調節性の皮膚血管運動に関係した視束前野ニューロンは中脳中心灰白質と腹側被蓋野に投射することが示唆された.本年度はふるえの神経回路についていくつかの問題点を検討した.破壊、刺激実験からふるえの調節には後視床下部(PH)が関与しており、視束前野・前視床下部(POAH)からの信号がPHで一度中継されて下位に送られるとの仮説が提唱されているが検証されてはいない.そこで先ずPHにはふるえの調節に必要なニューロンが存在するのか、あるいは他の部位からの神経線維が通過するだけなのかを検討した.寒冷に暴露したラットのPHにムシモールを投与したところふるえは抑制された.この結果はたしかにPHにはふるえに促進的に作用するニューロンが存在するものと思われる.またPHへの他の視床下部からの入力を遮断する形で脳に切断を加えたラットでもPOAHの温度刺激はふるえを変化させた.つまりPOAHからPHへは直列に信号が送られるのではなく両者は独立にふるえ調節に関与しているものと推測された.この結果は97年7月のロシアでの国際学会で発表の予定である.また彼末、ROmonaovskyを中心として体温のset-pointに関する理論的検討を加え、従来漠然と使われているset-pointの定義を明確にした論文を発表予定である.Schmidらドイツのグループは一酸化窒素とアンギオテンシンの視床下部への作用を詳細に検討した.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Pehl,U.: "Electrophysiological responses of neurons in the rat spinal cord to nifric oxide." Neuroscience. (in press). (1997)

  • [文献書誌] Pehl,U.: "Properties of temperature sensitive neurons in the rat spinal cord." J.Physiol.498. 483-495 (1997)

  • [文献書誌] A,Horii.: "Vestibular influences on the histaminergic and cholinergic systems in the rat brain." Ann.N.Y.Acad.Sci.781. 633-634 (1996)

  • [文献書誌] Simon,E.: "Themosensitivity of spinal cord neurons in vivo and in vitro in comparison to hypothalamic thermosensitive neurons,Prog." Brain Res.invited review. (in press). (1997)

  • [文献書誌] Pierau,Fr.K.: "Specific action of GABAB ligands on the temperature sensitivity of hypothalamic neurons." Ann.N.Y.Acad.Sci.(in press).

  • [文献書誌] Rauch,M.: "Electrophysiological and immunocytochemical evidence for a cGMP-mediated inhibition of subfornical organ neurous by nitric oxide." J.Neurosci. 17. 363-371 (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi