研究概要 |
1.内向き整流カリウム(K_<rec>)チャネルのクローンIRK3の遺伝子をクローニングし、その相同組み替えを有するES細胞を作製した。現在IRK3ノックアウトマウスを作成中である。2.G蛋白質調節K_<rec>チャネルのクローンGIRK1の遺伝子のクローニングにも成功しつつある。さらに、GIRK1のG蛋白質βγ結合部位C末端が欠落するスプライシングバリアントが存在することが明かになった。このクローンをアフリカツメガエルの卵母細胞に発現させその機能を検討中であるが、まだ結論を得ていない。3.G蛋白質調節K_<rec>チャネルのもう一種のクローンGIRK2のスプライシングバリアントGIRK2Bを新たにクローニングし、このクローンがGIRK1とheteromultimerを形成してG蛋白質調節K_<rec>チャネルを形成することを明かにした。4.K_<rec>チャネルクローンK_<AB-2>の遺伝子クローニングも現在遂行中である。5.マウス脳内でのK_<rec>チャネルクローンIRK1,2,3,ラット脳内でのK_<AB-2>の発現分布のin situハイブリダイゼーション法による検討の結果、IRK1はほぼマウス脳内全体に、IRK2は特に小脳顆粒細胞層に、IRK3は特に前脳に強く発現しており、K_<AB-2>はグリア細胞特異的に発現し、網膜ミューラー細胞でも発現していることが解かった。6.GIRK1および2に対する抗体を作製しこれを用いて、GIRK1はほぼ例外無くGIRK2とheterromerを形成しpresynapse領域に、GIRK2は単独または他の蛋白質とheterromerを形成してpostsynapse領域に発現している可能性を示唆する結果を得た。
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