研究課題/領域番号 |
07044262
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
倉智 嘉久 大阪大学, 医学部, 教授 (30142011)
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研究分担者 |
磯本 正二郎 大阪大学, 医学部, 助手 (80273671)
山田 充彦 大阪大学, 医学部, 助手 (10263237)
内匠 透 神戸大学, 医学部, 講師 (00222092)
堀尾 嘉幸 大阪大学, 医学部, 講師 (30181530)
CHELLA S Dav メイヨークリニック, 免疫学, 教授
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キーワード | カリウムチャネル / 中枢神経 / クローニング / ノックアウト / シナプス / G蛋白質 / ポリアミン / クラスター |
研究概要 |
膜2回貫通型カリウムチャネルの全貌を明らかとするために脳cDNAライブラリーから、新たなチャネルGIRK2Bをクローン化した。GIRK2Bは既にクローン化されているGIRK2のスプライスバリアントと考えられ脳をはじめとして広くその発現がみられた。GIRK1についてもG蛋白質βγサブユニットの結合部位を欠くバリアント(GIRK1B)があることを最近見いだした。一方、ATP感受性カリウムチャネルについてチャネルサブユニットであるBIRとuK_<ATP>を脳cDNAライブラリーよりクローン化し、さらにそれに結合するスルフォニル尿素受容体SUR2Bを新たにクローン化した。SUR2Bは血管平滑筋に存在するATP感受性カリウムチャネルであることがわかった。これははじめての血管平滑筋型ATP感受性カリウムチェネルのクローニングである。ゲノム遺伝子のクローニングについても既にIRK3 geneを単離していたがさらにK_<AB>-2、GIRK1 geneを単離した。IRK3についてはIRK3を不活性化した遺伝子と相同組み替えをおこしたES細胞の作成に成功した。一方、IRK1,IRK2,IRK3についてはin situ hybridizationによって脳内の詳細な分布を明らかとし、また、GIRK1は免疫電顕による解析の結果プレシナプスに存在することを明らかとした。チャネルの電気生理学的解析ではK_GチャネルやIRK2の内向き整流特性が細胞内ポリアミンによってもたらされること、1つのK_Gチャネルの開口には複数個(おそらく4つ)のG蛋白質βγサブユニットが必要であること、ATP依存性カリウムチャネルのK_<AB>-2が、網膜のグリア細胞であるMuller細胞や内耳血管条のなかのMarginal細胞に発現してカリウムの輸送に関与していることを明らかとした。また、K_<AB>-2は網膜ミュラー細胞でPSD-95ファミリーと結合してクラスター状に分布することを明らかとした。
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