研究課題
1)マウスライブラリーよりα6(IV) cDNAの重複クローンを単離した。その結果マウスα6(IV)ポリペプチドの2/3の一次構造を決定することが出来た。2)決定されたマウスα6(IV)ポリペプチド部分をヒトのそれと比較すると、全体として約70%のホモロジーが得られた。これをもとに、マウスα6(IV)ポリペプチドの第三番目のコラーゲン配列の乱れの部分(インパーフェクション)のアミノ酸配列に注目し、このアミノ酸配列を有するペプチドを合成し、このペプチドに対する特異的モノクローン抗体を作成した。この抗体は、マウスα6(IV)ポリペプチドに反応することを免疫組織化学間接法によって確認することができた。3)上記の如く特異抗体が作成されたため、現在マウス発生初期における免疫組織学的検索を進めている。4)マウス遺伝子DNA断片を単離できた。これは、エクソン1と2を含んだ24kbの長さの断片であった。ヒトの同じ部位をコードする遺伝子断片と比較すると、面白いことに、マウスではヒトでみられるような二つの転写産物は存在しなかった。このことにより、マウスの遺伝子では、Col4a5とCol4a6の間は約1.5kbとなり、この両遺伝子の間に両遺伝子の転写発現を調節する二方向性のプロモーターが存在することになる。5)ノックアウトマウス作成のために、マウス遺伝子DNA断片よりエクソン2を除き、代りにNeo^R遺伝子を挿入したコンストラクトを作成した。作成したコンストラクトがジーンターゲッテイングの目的達成のために必要なコンストラクトであることを確認した。また他の方法によるジーンターゲッテイングのためのコンストラクト作成も試みている。
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