研究課題/領域番号 |
07044271
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
内山 敬康 広島大学, 総合科学部, 教授 (80025957)
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研究分担者 |
平野 哲男 広島大学, 総合科学部, 助手 (50228805)
清水 典明 広島大学, 総合科学部, 助教授 (10216096)
WAHL Geoffre The Salk Institute for Biological Studie, Professor
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キーワード | Gene Amplification / Double Minute / micronucleus / Nuclear Budding / Nuclear Structure / DNA replication / DM elimination / Lamin |
研究概要 |
増幅したがん遺伝子が局在するDouble Minute(DM)が細胞外に排出されると、がん細胞は脱がん化、分化する。補助金が交付された期間には、DMの排出にとって鍵となる2つのステップ、すなわち、細胞内に生じた微小核への選択的取り込みの過程、および、そのような微小核が細胞外に放出される過程についての理解が深まった。前者については、DMがG1期の細胞核の周辺部に位置し、S期の進行にともない形成される核出芽の中に選択的に取り込まれることにより微小核が形成されること、及び、そのような過程ががん抑制遺伝子産物p53の不活化により活発となること等が見い出された。この点を報告した論文は現在、J.Cell Biol.で印刷中である。また、本年度の研究により、DNA合成にともなうDMの興味深い動きが明らかとなったほか、核出芽へのDMの取り込みには、ラミンB蛋白質を含む仕切り構造の形成が関与すること等々の知見が得られ、現在投稿準備中である。一方、後者については、細胞内に生じた微小核が細胞外に放出されることを見い出し、この過程がDM排出療法の一つの鍵となることを示したこと、また、本年度には、細胞外微小核が、正常な細胞質膜と核膜をもち、その中のDNAがすくなくともアポトーシスの際のような激しい分解を受けていないことが示された。これらの点も、現在投稿準備中である。さらに、細胞外微小核を介した、細胞間のDM転移実験系の樹立に関しては、DMが受容細胞に転移されたことを示す根拠が得られたものの、そのような細胞は見かけ上増殖を停止していた。この点は、現在も継続して検討を行っている。
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