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1996 年度 実績報告書

遺伝子破壊法によるヒストンバリアントの機能解析に関する共同研究

研究課題

研究課題/領域番号 07044283
研究機関宮崎医科大学

研究代表者

中山 建男  宮崎医科大学, 医学部, 教授 (60031712)

研究分担者 BUERSTEDDE J  バーゼル免疫研究所, 研究員
武田 俊一  京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60188191)
武知 進士  宮崎医科大学, 医学部, 助手 (10222100)
高見 恭成  宮崎医科大学, 医学部, 講師 (80236356)
キーワードヒストン / 遺伝子破壊法 / 自己補償機構 / 遺伝子発現制御 / RNose Protection assay / 2次元電気泳動
研究概要

私共は、ニワトリヒストン遺伝子群は、6個のH1,11個のH2A,8個のH2B,11個のH3,8個のH4で形成され、合計44個の中、39個は110kbの1つのクラスターに含まれていることを明らかにした。さらに、6種のH1バリアント、3種のH2Aバリアント、4種のH2Bバリアント、2種のH3バリアントの存在も明らかにした。本研究課題で、これらのヒストン遺伝子およびヒストンバリアントの機能を明らかにするため、ニワトリBリンパ細胞株DT40でジーンノックアウト法を用いて、種々のヒストン遺伝子欠失変異株を作製し、その性状を解析して以下の成果を得ることが出来た。
1、各ヒストンサブタイプの遺伝子群には、主要な1〜2個の遺伝子が欠失しても、残りのメンバーの転写量が増加し、ヒストン量を一定に保つ自己補償機構が存在した。
2、110kbのヒストンクラスターのone allelcを欠失しても、残りのallcleの遺伝子の発現量が増大し、全てのヒストンサブタイプは質的、量的に変化せず、結果的に細胞機能に変化が認められなかった。
3、21個のヒストン遺伝子を含む57kbセグメントのtwo allclcsを欠失した変異株で、残りの遺伝子の発想が増加し、ヒストン量は一定に保たれ、増殖速度、グローバルなクロマチン構造などは不変だった。しかし、4種のH1バリアント、1種のH2Bバリアントの消失を伴ったこの変異株の蛋白質の2D-PAGEパターンは変化していた。
4、H2A,H2Bなどの各コアバリアントを欠失した変異株でも、蛋白質の2D-PAGEパターンにそれぞれ独自の変化が認められた。
5、6個(12コピー)のH1遺伝子中、11コピーを欠失した変異株では、H1は約半量に減少し、逆にHMGは約2倍増加していた。増殖速度、グローバルなクロマチン構造に変化はなかったが、蛋白質の2D-PAGEパターンに変化が認められた。この結果は細胞の生存には1コピーのH1遺伝子、半量のH1で十分であることを示している。
6、6種のH1バリアントをそれぞれ欠失した変異株で、蛋白質の2D-PAGEパターンに特異的な変化が認められた。この結果は各H1バリアントは特定の遺伝子発現制御に係わっていることを示している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Takami et al.: "Organization of the chicken histone genes in a major gene cluster and generation of an almost complete set of the core histone protein sequences" DNA Res.3. 95-99 (1996)

  • [文献書誌] Ogura et al.: "Moleclar structure of the transposable element ninja in Drosophila simulans" Genes & Genet. Syst.71. 1-8 (1996)

  • [文献書誌] Takami et al.: "An approximately half set of histone genes is enough for cell proliferation and a lack of several histone variants causes protein pattern changes in the DT40 chicken B cell line" J. Mol. Biol.265. 394-408 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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