研究課題/領域番号 |
07045007
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
紺谷 浩司 広島大学, 法学部, 教授 (00033738)
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研究分担者 |
BARKAI John ハワイ大学, ロースクール, 教授
江頭 大蔵 広島大学, 法学部, 助教授 (90193987)
岡本 友子 広島大学, 法学部, 助教授 (90233379)
片木 晴彦 広島大学, 法学部, 教授 (70177393)
甲斐 克則 広島大学, 法学部, 教授 (80233641)
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キーワード | ハワイ州 / 司法制度 / 成年後見 / 公選弁護人 |
研究概要 |
平成9年度での調査は、前2年度の調査で残されていた課題および全調査の補充として以下の調査を行った。 1 ハワイ州の家事事件の実状調査のために、家庭裁判所で少年事件について、また成年後見制度について専門家から説明を受けた。 2 ハワイ州の公選弁護人(Hawaii Public Defender)制度について、州公選弁護人事務所所長より説明を受けた。 3 ハワイ州の法曹全体の状況をより詳細に確認するため、ハワイ州弁護士協会で説明を受けた。 4 ハワイ原住民の自治的紛争解決プログラム(HO'O'PONONO)について、プログラム責任者より説明を受けた。 調査の結果得た結論は以下の通りである。 1 ハワイ州を含むアメリカ各州では、判断能力を欠くに至ったときに備品えて、あらかじめ看護、治療措置、後見人(guardian)などを指定するliving will制度、また財産管理のあり方などを指定するliving trust制度が機能している。現在両制度における後見人の権限と被後見人の意思の尊重との調和を目指す法改正が検討されている。Living will、living trustの作成およびその執行は、通常の遺言および遺産の管理(eatate trust)、離婚合意文書(家庭裁判所の審査を受ける)作成とともに、家族関係専門弁護士事務所の重要な業務である。 2 州による公選弁護人事務所の維持は、多くの公選弁護事件を効率的にこなし、かつ弁護人の専門能力を高める目的でなされる。その任務は刑事事件の弁護にとどまらず、精神病者の措置入院(civil commitment)における本人んお代理、仮釈放(Parole)審査における囚人の代理にも及ぶ。 3 ハワイ原住民の自治的紛争解決制度の試みは、その法的拘束力など未解決の問題が少なくないようである。
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