研究分担者 |
大平 寛人 島根大学, 総合理工学部, 助手 (60273918)
BARRY Roser 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (10281148)
石賀 裕明 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (80183002)
赤坂 正秀 島根大学, 総合理工学部, 教授 (20202509)
山内 靖喜 島根大学, 総合理工学部, 教授 (70032612)
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研究概要 |
韓半島南東部の慶尚盆地の外側と内側および西南日本に分布する後期白亜紀花崗岩類のRb-Sr年代測定を多数行ない,Sr初生値を求め,活動的大陸縁に於ける火成活動の時空変遷を明らかにした。慶尚盆地の外側のKajo岩体のRb-Sr年代は約85Ma,Sr初生値は0.70835〜0.70840であり,Sr初生値は領家帯の花崗岩類のそれに類似する.一方慶尚盆地の内側のHwawan岩体,Deokdong岩体,Girimsa岩体の全岩Rb-Sr年代はそれぞれ,84Ma,42Ma,34Maであり,Sr初生値は,0.70580,0.70542,0.70570であった.Sr初生値は慶尚盆地内の他の岩体および西南日本山陰帯の岩体のそれと一致し,類似したマグマソースを起源とすることが明らかとなった.韓半島および西南日本ともに始新世〜漸新世の火成活動は明らかに東海(日本海)に限られており,幅広い白亜紀後期の火成活動は時間と共に幅の狭い地域に収束していったことを示している.Sr初生値は火成活動の収束が縁海の形成に関連したマントルプリュームの上昇に起因するという従来の見解を支持する. 一方,西南日本および慶尚盆地の下部白亜系頁岩の全岩化学分析を行ない,その起源と堆積環境を検討した.西南日本の下部白亜系として代表されるSengoku層およびYoshimo層と慶尚盆地のHayang層の徴量元素組成は類似しており西南日本と慶尚盆地の堆積岩起源の類似性を示す.またこれらの頁岩は,Y,Hf,REE含有量,Th-Hf-Co判別図およびLa-Th-Sc判別図において,上部大陸地殻の組成を代表するとされるPAAS(post-Archean Australian Sshale)の値に極めて近いことが明らかとなった.やや高い硫黄含有量と金属元素の濃集が広域的に認められることから,白亜紀の乾燥気侯時にはすでに韓半鳥と西南日本を含む広大な塩湖が形成されていたことが明らかとなった.
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