研究分担者 |
金 昌済 海洋大学校, 海事大学 海事輸送科学科, 講師
廬 一 海洋大学校, 理工学部, 助教授
姜 孝辰 海洋大学校, 理工学部, 助教授
朴 漢一 海洋大学校, 理工学部, 助教授
姜 信榮 海洋大学校, 理工学部, 副教授
兪 洪善 海洋大学校, 理工学部, 教授
黒岩 正光 鳥取大学, 工学部, 助手 (10225279)
松見 吉晴 鳥取大学, 工学部, 助教授 (00135667)
松原 雄平 鳥取大学, 工学部, 助教授 (60116374)
木村 晃 鳥取大学, 工学部, 教授 (20027262)
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研究概要 |
本年度は,海面水位変動の長期的変動解析ならびに海面変動による海底地形変化特性について検討した.まず,海水面の長期変動について,我が国の日本海沿岸(32ヶ所)ならびに韓国東海沿岸(21ヶ所)における長期的な水面変動について実測された検潮データをもとに解析し検討した.それぞれの地点において実測された潮位データから長期的変動を捉えるため,月平均の変動について検討し,さらに,月平均値の時系列から12カ月の移動平均をとって,直線回帰によって,各地点における1年間当たりの海水面上昇高を求め,地区別に検討した.つぎに,海水面上昇が地形変化に及ぼす影響について,水位上昇が地形変化に及ぼす影響について把握するための基礎的な実験を行った.沿岸漂砂は考慮せず,岸沖漂砂のみを考えた縦断地形変化について検討した.断面2次元波動水槽内に,勾配1/10の海底地形を作成し,規則波の作用下で行った.一様勾配断面から平衡断面になるまで波を作用させ,さらに,その断面を初期断面として,水位を変化させた時の地形変化と波浪特性の変化について調べた.得られた結果から,波浪特性,水位の上昇量および汀線変化量との関係について検討した. 以上のことから得られた知見は,日本海沿岸部ならびに韓国沿岸における海面上昇率は,場所によって異なり,下降傾向の所もあるが,全体的に海面は上昇傾向にあること,室内実験によって,水位の上昇が波浪ならびに地形変化に及ぼす影響について検討した結果,汀線は水位の上昇による静的後退のみならず,波浪による影響も大きく,水位の上昇量と汀線後退量との関係が明らかとなったことである.今後は,水面変動と気象および海象との関係について詳細に検討し,海水面上昇の原因について検討するとともに,水位上昇に伴って発生する海岸侵食の数理モデルの構築をめざす.
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