研究分担者 |
MAMUAD F.V. セントラル, ルソン州立大学・農学部, 助手
CRUZ L.C. セントラル, ルソン州立大学・農学部, 教授
原田 宏 宮崎大学, 農学部, 助教授 (90041061)
片山 英美 宮崎大学, 農学部, 教授 (80040848)
園田 立信 宮崎大学, 農学部, 教授 (00040866)
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研究概要 |
肉用牛の効率的生産システムの確立のためには,産肉能力のみならず,子牛の育成段階における母牛の産乳能力もきわめて重要な形質である。 セントラル・ルソン州立大学では,フィリピン在来種(PC),ブルガリアからの導入種(MB)およびこれらの交雑種(CB)である水牛を用いた産乳能力や産肉能力の遺伝的改良,特に育種改良のための優良牛の選抜,さらに生産子牛の発育段階における枝肉構成の変化の解明等多くの課題を抱えており,1995年度これらの試験牛から改良に関する基本的知見を得るため産乳能力に関するデータ収集を行うとともに,PC,MB及びCBの約400頭を超音波測定し,得られた皮下脂肪厚,筋間脂肪厚,バラ厚,胸最長筋横断面積及び脂肪交雑等の屠肉形質推定値に対する要因効果について検討した。主な結果は以下の通りである。 水牛の乳脂率は約6〜10%とホルスタイン種のそれに比べてはるかに高いことが認められた。また,PC,MB及びCBいずれの胸最長筋横断面積も本邦の和牛のそれよりもかなり小さいことが認められた。 屠肉形質に対する最小自乗分散分析の結果,脂肪交雑を除くすべての屠肉形質推定値に対して繋養地域の飼育環境の有意な影響が認められた。また,品種の違いによる影響は第7及び第13胸椎部の胸最長筋面積,ならびに第7胸椎部の筋間脂肪厚及びバラ厚に対して有意な影響を及ぼし,いずれの形質においてもMB>CB>PCの順に大きな値を示すことが認められた。さらに,繋養地域と性の交互作用の効果は第7及び第13胸椎部の胸最長筋面積に対して,また品種と性の交互作用の効果は第7及び第13胸椎部の胸最長筋面積,脂肪交雑及び皮下脂肪厚に対してそれぞれ有意な影響を及ぼすことが認められた。なお,これらの結果については第8回AAAP(1996.10,東京)に発表予定である。
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