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1995 年度 実績報告書

模擬微小重力環境への長期曝露によるヒトの心循環失調の発現機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 07045048
研究機関名古屋大学

研究代表者

間野 忠明  名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (30023659)

研究分担者 EVOROV Anat  ロシア厚生省医学, 生物学研究所, 教授
KOZLOVSKAYA ビー コズロフスカヤ  ロシア厚生省医学, 生物学研究所, 教授
GRIGREIV An  ロシア厚生省医学, 生物学研究所, 所長
杉山 由樹  名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (50240809)
岩瀬 敏  名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (90184879)
キーワード心循環失調 / 筋交感神経活動 / 微小神経電図法 / dry immersion / ヘッドアップティルト / 心拍変動 / 血圧変動 / 血管迷走神経性失神
研究概要

健康ロシア成人6名を被験者として,dry immersionの前後において,安静時の筋肉交感神経活動および心拍変動,血圧変動を記録し,ヘッドアップティルトを負荷した際の反応性を検討した。筋肉交感神経活動はマイクロニューログラフィーにて,心拍変動は胸部双極誘導,血圧はフィナプレスにより測定した.1時間以上安静仰臥位に保った後,右脛骨神経から下腿三頭筋支配の交感神経活動を導出,同定,記録した.20°,40°,60°のヘッドアップティルトを負荷した.各角度には5分以上保ち,最後の1分間に15/分の統制呼吸を行った.その後,dry immersionを施行し,3日間ラバーシ-ツを張った中立温水に頭以外の全身を浸した.72時間後,仰臥位の姿勢を保ったままで,対側の脛骨神経から筋交感神経活動を記録し,同様のティルトを負荷した.その結果,6人の被験者のうち,1人がdry immersion後のティルト中に失神をきたした.この被験者はティルトに対し急激な頻脈が生じ,血管迷走神経性失神をきたした.筋交感神経活動は3日間のdry immersionにより有意に亢進した.筋交感神経活動の中枢性出力は,100心拍あたりのバースト数で表されるが,起立負荷時のそれは,dry immersion後に低下した.Dry immersion後においては,心臓交感神経活動の亢進と心臓迷走神経活動の低下が観察された.以上の変化から,dry immersion後においては,末梢の血管運動神経である筋交感神経活動よりも心による循環調節にその主役は移行するが,その補償としてティルト時に急激な頻脈がおきると失神をきたしたりすること,また,筋交感神経活動の中枢性出力が低下することが心循環失調に関連する可能性が示唆された.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 岩瀬敏,野間忠明: "BME" 10. 宇宙における神経電位の測定. 51-62 (1996)

  • [文献書誌] 岩瀬敏,杉山由樹,美和千尋,河野通之,野間忠明: "3日間のdry immersionがヒトの心循環器のうに及ぼす影響(1)-3日間のdry immersion前後における筋交感神経活動の変化" 名古屋大学環境医学研究所年報. 47(印刷中). (1996)

  • [文献書誌] 美和千尋,杉山由樹,岩瀬敏,河野通之,野間忠明: "3日間のdry immersionがヒトの心循環器のうに及ぼす影響(2)-3日間水新語の起立負荷に対する血圧および心拍変動" 名古屋大学環境医学研究所年報. 47(印刷中). (1996)

  • [文献書誌] 杉山由樹,美和千尋,河野通之,岩瀬敏,野間忠明: "名古屋大学環境医学研究所年報" 3日間のdry immersionがヒトの心循環器のうに及ぼす影響(3)-3日間のdry immersion中の心拍及び血圧変動の変化. 47. (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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