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1997 年度 実績報告書

模擬微小重力環境への長期曝露によるヒトの心循環失調の発現機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 07045048
研究機関名古屋大学

研究代表者

間野 忠明  名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (30023659)

研究分担者 EGOROV Anato  ロシア厚生省医学生物学研究所, 教授
KOZLOVSKAYA イネッサ ビー  ロシア厚生省医学生物学研究所, 教授
GRIGORIEV An  ロシア厚生省医学生物学研究所, 所長
杉山 由樹  名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (50240809)
岩瀬 敏  名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (90184879)
キーワード筋交感神経活動 / 心循環失調 / 微小重力 / ベッドレスト / 起立 / 静的運動
研究概要

宇宙飛行をした後、地球に帰還する時には、時に失神にまで至る心循環失調が起こることが知られている。また、宇宙飛行中には様々な自律神経症状が報告されており、微小重力環境は自律神経系に影響を及ぼすと考えられる。しかし、そのほとんどは、いまだ解明されていない。本研究は微小重力環境模擬として6°ヘッドダウンベッドレストを120日間行い、ベッドレスト後の起立負荷や静的運動負荷時の自律神経応答について検討した。120日間という長期のベッドレストは世界でも例がない。
ベッドレスト後、安静時の筋交感神経活動(マイクロニューログラフィーを用いて測定)、および心拍数は増加していたのに対し、収縮期、拡張期血圧および平均血圧は変化していなかった。本実験の6人の被験者は、起立負荷試験において心循環失調を起こさなかった。起立負荷に対する筋交感神経活動と心拍数の増加反応は保たれており、起立負荷中のそれらの絶対値はベッドレスト前よりも高かった。収縮期、拡張期血圧の変化はベッドレスト前と同様であった。次に、自発的最大筋力の30%の持続的静的足関節底屈運動を行った。この静的下肢運動負荷に対する筋交感神経活動と平均血圧の増加反応は減弱していた。ベッドレスト終了30日後、安静時の筋交感神経活動および心拍数はベッドレスト前のレベルに戻っていた。収縮期、拡張期血圧および平均血圧は変化していなかった。起立負荷に対する筋交感神経活動と心拍数の増加反応に変化はなかった。静的下肢運動負荷に対する筋交感神経活動と平均血圧の増加反応は減弱したままであった。120日間のベッドレストは、起立負荷に対する反応には影響を与えず、静的下肢運動負荷に対する反応を減弱させると考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Miwa C., Sugiyama Y., Iwase S., Mano T., Ohira Y., Grigoriev A., Kozlovskaya I., Egorov A., Shenkman B.: "Effects of three days of dry immersion on heart rate and blood pressure variabilities during head-up tilting in humans" Environmental Medicine. 41. 135-137 (1997)

  • [文献書誌] Mano T.: "Resarch activities on aerospace medicine in japan-Past,present,and future-" Korean Journal of Aerospace and Environmental Medicine. 7. 31-35 (1997)

  • [文献書誌] Mano T.: "Current research on hemodynamic control in human upright posture" springer Science. 13. 6-9 (1998)

  • [文献書誌] 野間 忠明: "宇宙飛行と生体反応" 交通医学. (印刷中). (1998)

  • [文献書誌] 間野 忠明: "ゆらぎの科学9" 宇宙飛行と自律神経系のゆらぎ(印刷中), (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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