研究課題/領域番号 |
07045053
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
久恒 邦博 長崎大学, 歯学部, 教授 (20037526)
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研究分担者 |
GUSTAAF Van アントワープ大学, 理学部, 教授
JOSEPH Van L アントワープ大学, 理学部, 教授
羽坂 雅之 長崎大学, 工学部, 教授 (30039698)
有働 公一 長崎大学, 歯学部, 助手 (60145266)
田中 康弘 長崎大学, 歯学部, 助手 (10217086)
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キーワード | 高分解能電子顕微鏡 / 傾斜機能材料 / 界面 / 生体材料 / 複合材料 / イオン工学 / セラミックス / 金属焼付ポーセレン |
研究概要 |
加工性に優れた金属に生体環境下での耐食性を向上させ、その付加価値を高めるために金属-セラミックス複合体を作製し、人体にやさしい生体材料としての可能性を検討するための基礎的研究を行なった。この複合体における最大課題は金属とセラミックスの界面問題である。接合界面の生成過程やその構造を基礎的に理解することは結合技術の改良や将来的に特別な性格をもつ接合界面を設計するような機能性材料の開発にとって非常に重要である。本研究はその界面構造の解明を高分解能電子顕微鏡により達成したものである。具体的には、歯科用金属焼付ポーセレンシステムにおける金合金とセラミックスの界面観察を行なった。本研究において以下の2点について顕著な成果が得られた。 1.高分解能電子顕微鏡観察が可能な良好な界面薄膜試料の作製法を確立した。結合界面の直接観察のためには透過型電子顕微鏡法が非常に有効な手段である。本研究試料の様に、極端に機械的性質の異なる材料を同時に薄膜化し、電子顕微鏡観察、それも高分解能電子顕微鏡観察を可能にすることは非常に困難を伴なうものである。この試料作製法の確立は複雑化が予想される次世代材料の研究によっても朗報である。 2.歯科用メタルボンドシステムにおける界面は何らの中間層を介せずに直接結合していることが明らかになった。従来までの研究結果は主としてEPMAにより、合金成分の酸化物を介在として、結合していると報告されていた。しかし、これらがミクロンスケールでの観察結果であるため、この酸化物が界面そのものに存在している証拠とはなりえていない。高分解能電子顕微鏡観察はナノスケールのいわゆる原子尺度のデータを得て、界面そのものの直接観察が可能であったため、上記の結論を獲得することができた。
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