研究分担者 |
青山 公治 鹿児島大学, 医学部, 講師 (70117472)
丁 桂英 中国医科大学, 教授
宋 芳吉 中国医科大学, 教授
神崎 保 鹿児島大学, 医学部, 教授 (80118801)
松山 隆美 鹿児島大学, 医学部, 教授 (30145479)
SOONG Fangji China Medical University, Professor
DING Guiying China Medical University, Professor
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研究概要 |
平成7年から平成9年までの3年間では、鹿児島大学側から、松下敏夫等が計3回で中国を訪間し、中国医科大学の研究者と現地で共同研究・共同調査を実旋した。また、中国医科大学側から、丁桂英等が鹿児島大学を訪間し、鹿児島大学での学術交流と共同研究を行った。3年間では、日本での共同今まで本研究で得られた成績について意見交換を行った。また、中国医科大学側の研究者との協力で、本研究の成果発表を中心とする国際職業環境免疫・アレルギー疾患シンポジウムが平成9年9月瀋陽で開催された。三年間では、日中間では慢性関節リュウマチの発症における免疫学的機序、自己免疫皮膚疾患の免疫遺伝学、職業アレルギーの疫学、接触皮膚炎の臨床疫学、職業性感作性物質の予知・評価等免疫・アレルレギ-疾患に関する課題に取り込んでいた。 本共同研究を通じて、下記の知見が得られた。(1)可溶性CD14、可溶性VCAM-1、P-selectin等他の接着分子が慢性関節リュウマチの発症に重要な役割を担うことは明らかにされた。(2)中国人集団では、自己免疫皮膚疾患の発症に特定なHLA遺伝子が関与することが分かった。アラフイナキシ-紫斑病の患者では、HLA-A30-31,B13,B35,B40,HLA-DR10の遺伝子の出現頻度は高かったが、HLA-DQ3,DQ6の発現頻度は低かつた。また、慢性蕁麻疹患者では、HLA-A,B,B44(12)、DR2,DR7,DQ2の出現頻度が正常者より高かったことが分かった。(3)中国の某アルミニウム精錬工場では、陽極作業者、電解作業者、溶接作業者では皮膚炎の有症率が有意に高いことが分かった。また、皮膚炎のリスクが年齢と作業年数と関連する傾向が見られた。さらに、アレルギー個人歴、アレルギー家族歴、飲酒習慣は職業性皮膚炎の増悪因子として認められた。(4)産業化学物質の皮膚感作性を評価する際には、リンパ飾および炎症皮膚におけるサイトカイン(IL-2,IL-4,IL-12、IFN-gamma)のmRNA解析が有用な指標でろうと示唆している。
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