• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

高次生体系における多重遺伝子の発現制御

研究課題

研究課題/領域番号 07101001
研究機関東京大学

研究代表者

坂野 仁  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90262154)

研究分担者 名川 文清  東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (10241233)
キーワード抗原受容体遺伝子 / V(D)J組み換え / RSSシグナル配列 / RAGタンパク質 / RAG / RSS複合体 / フットプリント解析 / 3'-リン酸化 / トランスポジション
研究概要

本研究で扱うV(D)J組み換えは、抗原受容体遺伝子の多様化と活性化に重要な役割を担っている。この分野における研究は、国際的に競争の非常に激しい分野であるが、当グループでは、1)RAG/RSS高次複合体の単離及びそのフットプリント解析、2)HMG1の新たな役割の解明、3)RSS切断後の3'-OH端のリン酸化など、独自の研究成果を挙げてきた。平成11年度における研究では特に、12/23ルールを満たすRSS/RAG高次複合体の中で、RSS切断端がどの様な機構で3'リン酸化を受けているのかを解析した。
我々はV(D)J組み換えがトランスポゾンの切り出し反応を利用したものである事を以前から指摘してきたが、最近RSSの切り出し産物、即ちsignal end(SE) complexに、実際トランスポジション活性の有る事がin vitroで示された。これに関連して当グループでは、RAG/RSS高次複合体において、7mer切断端の3'-OH基がRAGタンパク質によってリン酸化される事を見出した。このリン酸基は、加水分解によるnickingとそれに続くtrans-esterificationによって、周辺の核酸(in vivoでは多分RNA)から持ち込まれる。今回発見されたRSS切断端の3'リン酸化は、SE complexが染色体の他の場所へトランスポーズする事を抑止するので、結果としてin vivoでは挿入変異の誘発を防ぐ様に働くと考えられる。これらの観察は、V(D)J結合がトランスポゾンの組み換え反応を利用しつつ、同時に、切り出し産物の有害なトランスポジションを抑える様にシステムを機能させている事を示すものとして注目される。
本研究ではまた、Igκ遺伝子を用いてその組み換え特異性が3'エンハンサーのPU.1結合配列によって抑制的に制御されていることを見出した。平成11年度には、PU.1モチーフに結合する組み換え制御因子の候補として、新規タンパク質PU.1 related factor(PRF)を同定した。現在prf遺伝子のノックアウトを行い、その機能解析を進めている。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Touhara K., et al.: "Functional identification and reconstitution of an odorant receptor in single olfactory neurons"Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 96. 4040-4045 (1999)

  • [文献書誌] Tsuboi A., et al.: "Olfactory neurons expressing closely linked and homologous odorant receptor genes tend to project their axons to neighboring glomeruli on the olfactory bulb"J. Neurosci.. 19. 8409-8419 (1999)

  • [文献書誌] Tsuhoi A., et al.: "YAC transgenic approach to clarify the mechanisms of odorant receptor gene expression and specific projection of olfactory neurons"Chem. Senses. 24. 591 (1999)

  • [文献書誌] Hashimoto, S., et al.: "Prf, a novel Ets family protein that binds to the PU.1 binding motif, is specifically expressed in restricted stages of B cell development"Int. Immunol.. 11. 1423-1429 (1999)

  • [文献書誌] Nagaoka H., et al.: "Requirement of Ras for pre-B cell survival"J. Exp. Med.. (in press). (2000)

  • [文献書誌] Yoshida T., et al.: "The DNA bending protein, HMGI, is required for correct cleavage of 23 bp-recombination signal sequences by RAG"Int. Immunol.. 12(in press). (2000)

  • [文献書誌] 石黒啓一郎、坂野仁: "「生体防御:免疫と感染症」免疫系における多様性獲得の分子基盤"共立出版(発表予定). (2000)

  • [文献書誌] 坪井昭夫、坂野仁: "「発生・神経研究の最前線2000」嗅覚器官形成・再生の分子的基盤"実験医学(発表予定). (2000)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi