研究課題/領域番号 |
07101002
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
眞崎 知生 国立循環器病センター研究所, 所長 (60009991)
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研究分担者 |
岡本 安雄 京都大学, 医学研究科, 助手
二宮 治明 京都大学, 医学研究科, 助手 (80212124)
三輪 聡一 京都大学, 医学研究科, 助教授 (40157706)
沢村 達也 国立循環器病センター研究所, バイオサイエンス部, 室長 (30243033)
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キーワード | エンドセリン / 一酸化窒素 / 変性LDL受容体 / アルギニン輸送体 / 非選択的カチオンチャネル / エンドセリン受容体 / 受容体輸送活性相関 / 血管内皮 |
研究概要 |
本研究計画ではエンドセリン(ET)と一酸化窒素(NO)を中心とする内皮依存性の収縮弛緩、血管構成細胞の増殖分化の局所調節機構をあきらかにすることを目的としている。具体的にはこの2つの因子の合成分泌を調節する機構のひとつとして、内皮特有の変性LDL受容体LOX-1の生理的病態生理的意義をあきらかにする。LOX-1はアポトーシス、あるいは老化した赤血球を貪食する。培養内皮細胞も同様にLOX-1を介して赤血球を貪食する。このLOX-1はphosphatidylserineによって特異的に認識されこの貪食作用は阻害される。現在、さらにこのLOX-1の機能をあきらかにする目的でノックアウトマウスを作製中である。一酸化窒素の産生の調節はLPCによって阻害されるが、これはその合成酵素の活性阻害以外にもアルギニン輸送体を阻害することがわかった。 一方、NOとETの標的である大動脈平滑筋において、ETはホスホリパーゼC(PLC)の活性化を介し、細胞内遊離カルシウム濃度を上昇させる。一方、ETは電位依存性カルシウムチャネルを開口することを報告した。しかし、より生理的な低濃度のETではこれ以外のいわゆる受動体作働性の非選択的カチオンチャネルが収縮に重要であることがわかった。またこのチャネルはNOの細胞内cGMPレベル上昇を介する標的チャネルであることもわかった。 さらに、ET受容体の構造活性相関に関して、ET_BのC末端のパルミチル化によって細胞内の第4ループが形成されるが、これがGi,Gqの活性化に必要であることがわかった。さらに、Giの活性化にはさらにC末端のアミノ酸配列、それに以前に示した細胞内第3ループの形成が重要であることがわかった。
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