研究課題/領域番号 |
07102008
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
堀川 直顕 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 教授 (70022697)
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研究分担者 |
長谷川 武夫 宮崎大学, 工学部, 教授 (70025386)
森 邦和 名古屋大学, 理学部, 教授 (70022663)
岩田 高広 名古屋大学, 理学部, 助手 (70211761)
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キーワード | スピン / 核子スピン構造 / COMPASS / グル-オンスピン / 偏極標的 / 偏極ガンマー線 / QCD / GDH |
研究概要 |
本課題によって次の4主題を実行した。 (1)SMC実験の解析:平成8年度に測定した「陽子標的からのスピン非対称度」のオフライン解析による「スピン構造関数」および「第1モーメント」の決定を行った。これをもとに全SMC実験の構造関数のデータに対するQCD解析を行い核子内のクォークスピンの寄与をより正確に推定した。 (2)COMPASS用超伝導電磁石の建設:共同研究COMPASSで使用する偏極標的のための超伝導電磁石の製作を実行した。製作はOxford Co.LTDが受注したため、Oxfordと名古屋において、工程段階のチェック、CERNの実験室内の磁石設置の検討を行った。CERNへの搬入と完成検査予定を平成10年秋に設定して磁石の製作を行っている。現在、ダイポール磁石およびコイルを冷やす容器の製作の途中である。 SAT(Small Area Tracker)の開発:COMPASSで使う偏極標的の上、下流にミューオンビームの入射位置、時間を決める分解能の良い検出器が必要である。その候補として0.5mmφの直径のシンチレーションファイバーと多極光電子増倍管の組合わせによるビームトラッカー(SAT)の建設を考え、基礎テストを行った。 (3)GDH実験の準備:GDH用標的の開発のため、ボンおよびマインツ大学で新しい冷却器の開発に参加した。それをマインツ大学でのGDH(Drell-Hearn,Gerasimov sum rule)和則の検証実験に使うとともに新しい標的物質の開発に供する。SPring-8での実験を目指し、偏極ガンマー線発生のための装置製作を行った。 (4)偏極標的の開発:CD^2標的の引き続くテスト、およびD-Butanol標的が最高偏極度を与える磁場を探す実験を行った。この間、磁石電源を新たに製作した。
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