• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

コミュニケーションにおける引き込み現象の研究

研究課題

研究課題/領域番号 07202211
研究機関岡山県立大学

研究代表者

渡辺 富夫  岡山県立大学, 情報工学部, 教授 (30167150)

研究分担者 黒田 勉  岡山県立大学, 情報工学部, 助手 (60264909)
キーワードヒューマン・インタフェース / コミュニケーション / 引き込み現象 / 生体情報 / 情動 / ノンバーバル・コミュニケーション
研究概要

(1)マルチメデイア情報処理システムの開発
母子の表情,音声情報,両者の引き込み現象など,母子のインタラクションを効率よく,定量的に分析するためのマルチメデイア情報処理システムを開発した。また、音声・画像計測手法による行動分析だけでなく,母子の情動に着目し、心拍周期情報等の生体情報計測システムを開発した。
(2)生体情報計測による対面コミュニケーションにおける引き込み現象の分析
上記システムを用いて、音声・画像分析による視聴覚情報に基づく引き込み現象だけでなく、対話者相互の生理的・心理的側面での引き込み現象について、心拍間隔変動の生理指標に基づき分析評価した。その結果、母親と乳児との対面コミュニケーションにおける心拍間隔のばらつきが相互に同調するなど、情動面での引き込み現象の存在が確認された。さらに覚醒状態から睡眠状態に移行する過程において、母子共に心拍間隔変動の周期性(呼吸成分)が検出され、迷走神経系支配への移行過程の情動面での引き込み現象が観察された。また成人間の対話時における心拍間隔のばらつきの時系列変化を分析した結果、リラックス状態から話の集中状態への移行過程など、情動の変動が顕著な箇所で引き込み現象が観察された。本結果は、円滑なコミュニケーションが図られるには、こういった情動まで含めた生理的側面での引き込み現象が生じていることを示唆するものである。
現在、心拍周期情報に加えて、呼吸、身体振動、サーモグラフィによる顔面皮膚温等の新たな生体情報計測手法を導入して,コミュニケーションにおける情動の定量評価手法を確立している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Tomio Watanabe: "Effects of Pitch Adaptation in Prosody on Human-Machine Verbal Communication" Advances in Human Factors/Ergonomics. 20A. 269-274 (1995)

  • [文献書誌] 黒田勉、渡辺富夫: "HSV表現法に基づく顔画像の唇抽出法" 日本機械学会論文集(C編). 61. 4724-4729 (1995)

  • [文献書誌] 渡辺富夫: "音声対話システムにおけるヒューマン・インタフェース-引き込みを中心として-" 情報処理学会研究報告. 96HI65. 27-32 (1996)

  • [文献書誌] 渡辺富夫、大久保雅史、黒田勉: "生体情報計測による音声対話における引き込み現象の分析" 情報処理学会第52回全国大会講演論文集(2). 52. 419-420 (1996)

  • [文献書誌] 黒田勉、渡辺富夫: "HSV表現法による顔色の分析" 第11回ヒューマン・インタフェース・シンポジウム論文集. 11. 173-178 (1995)

  • [文献書誌] 大久保雅史、渡辺富夫: "動的口唇輪郭抽出による読唇の試み" 第11回ヒューマン・インタフェース・シンポジウム論文集. 11. 351-356 (1995)

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi