研究課題/領域番号 |
07203104
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池本 幸生 京都大学, 東南アジア研究センター, 助教授 (20222911)
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研究分担者 |
上田 曜子 流通科学大学, 商学部, 講師 (20223472)
永田 好克 京都大学, 東南アジア研究センター, 助手 (70208023)
河野 泰之 京都大学, 東南アジア研究センター, 助手 (80183804)
福井 捷朗 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (10027584)
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キーワード | ドライゾーン / 村落データベース / 地域発展の固有性 / コラート高原 / 平原半乾燥地 |
研究概要 |
本研究の目的は東南アジア各地に見られるドライゾーンの発展の共通性と特殊性を検討することにより、ドライゾーンの発展の固有性とコラート高原の発展の特殊性を明らかにするところにある。裏面のように、これまでのコラート高原に関する研究成果を論文として取りまとめたほか、本年度は、このテーマに沿い、課題点をさらに掘り下げる研究を進めた。その結果、次のような課題点が指摘された。(a)「平原半乾燥地」がかつて核心域を形成していたときには現在とは全く違った東南アジアを形成していたということを示すこと、(b)その変容過程における現代の核心域との間の力学、(c)かつてドライゾーンが核心域であったということを説明する要因を明らかにすることである。そのためにも「半乾燥地」「東南アジア世界」「周辺的地域」といった概念を明確にしておく必要がある。ここで、ドライゾーン(半乾燥地)とは、東南アジアを山地、平原、海岸に3区分したときの平原に当たる。地域の水文環境には気候条件と地形条件がともに関連するが、その平原が相対的乾燥地となる必然性についてはなお十分に検討を重ねていく必要がある。 東北タイではかつて製塩、製鉄が広く分布していたが、これらの産業は森林破壊という点で生態的にも意味が大きかったと思われるが、この地の気候条件と製塩、製鉄を直接関連させる論理を検討しなおす必要である。 コラート高原の経済史的時代変遷を人口と食糧のアンバランスから生じる交易、国家成立後の税の徴収に関連する財の流れと王室貿易によるそのさらなる拡大、中部タイでの米作拡大によるその衰退、工業化によるさらなる衰退と見ることができる。この仮説はコラート高原の財の流れから見た経済構造を分析していくことで検証することができる。
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