研究課題/領域番号 |
07203109
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
福井 清一 九州大学, 農学部, 助教授 (90134197)
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研究分担者 |
永野 善子 神奈川大学, 外国語学部, 教授 (60148252)
中西 徹 東京大学, 経済学部, 助教授 (30227839)
永田 信 東京大学, 農学部, 教授 (20164436)
河村 能夫 龍谷大学, 経済学部, 教授 (10121625)
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キーワード | フィリピン / 発展の固有論理 / 社会構造 / 政府の役割 |
研究概要 |
本研究班の活動は、フィリピンにおける経済・社会発展の現況を明らかにし、他の東南アジア諸国との比較によりその発展の固有パターンを解明することを目標としている。 平成7年度においては、急速に変化しつつあるフィリピン社会・経済の諸側面について、各メンバーがそれぞれのテーマにそって研究活動を行ない、その成果を公刊した(11,参照)。 研究実績の概要は以下のとおりである。 1)福井は、フィリピンにおける農地改革や緑の革命が稲作農村における所得水準・所得分配におよぼした影響を数置的に推計すると同時に、農村制度(土地・労働・信用)がどのように変化し、それが農家経済にどのような影響を与えたのかを理論的、実証的に解明した。また、フィリピンにおける青果物流通システムをタイ国と比較し、フィリピンでは「スキ」と呼ばれる「顧客関係」がより重要な役割を果たしていることを明らかにした。 2)永田は、フィリピンにおける森林の減少を横断面データを用いて計量的に分析し、森林減少が、森林面積、非農林地面積、森林の質、首都マニラからの距離などの因子によって説明されることを明らかにした。 3)永野は、80年代半ば頃から顕著になってきたフィリピン砂糖産業の衰退が、従来の砂糖きび農園主と農園労働者との間のパトロンニクライエント関係を急速に弛緩させ、農園労働者がNGOなどの支援を受け自立しようとする試みが増加していることをケース・スタディーにより明らかにした。
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