研究課題/領域番号 |
07206105
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田畑 伸一郎 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (10183071)
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研究分担者 |
中村 靖 横浜国立大学, 経済学部, 助教授 (60189066)
上垣 彰 西南学院大学, 経済学部, 教授 (70176577)
田畑 理一 大阪市立大学, 経済学部, 教授 (60171873)
久保庭 真彰 一橋大学, 経済研究所, 教授 (70111698)
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キーワード | ロシア国民経済計算 / ロシア市場経済学 / ロシア経済統計 |
研究概要 |
ロシアのSNA統計に関して、その5つの基本勘定である国民所得勘定、産業連関表、資金循環勘定、国民貸借対照表、国際収支表を、分担者5人で1つずつ担当し、データの収集、検証、分析を行うことにより、以下の知見が得られた。 1.ロシアのGDP統計、財政統計、国際収支統計、貿易統計について、本研究が対象とする1990年以降のデータを収集・検証することにより、統計方法上の特徴や問題点を詳細に明らかにした。いずれの統計についても、このような詳細な検討は、これまで欧米でもきちんと行われていなかった。 2.GDP統計の分析により、とくに間接税や補助金の大きさ・形態が、この市場経済移行期に大きく変化したことが明らかにされた。税金や補助金の動態は、財政統計の分析によって、さらに詳しく明らかにされた。しかしながら、税・補助金の統計上の取り扱いには毎年変更があり、経済循環を把握するうえで重要な税・補助金についての検討は、産業連関表の分析を深めることなどにより、さらに断続する必要があることも明らかになった。 3.国際収支表の分析により、ロシアの対外債務・債権の繰り延べの問題、資本流出の問題が極めて重要であることが明らかにされた。しかし、国際収支表作成方法も毎年のように変更されているため、資本流出などの大きさを時系列的に捉えるには至っておらず、こうした問題は今後の課題となっている。
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