研究課題
スラブ・ユーラシア地域に起こった『変動』の意味を分析するために、自在と共存という概念を立て、3つの研究項目、つまり「政治」(政治システムの変革と地域間関係)、「経済」(経済システムの転換と新経済圏の形成)、「文化・民族」(社会変動と自己認識)にそれぞれ3つの計画研究が配置され平成7年度にスタートした。平成8年度は、総括班、計画研究班9、公募研究班13の計23班、参加研究社総数108名(研究協力者も含む、昨年度より33名ほど総数が増加)が研究活動に参加した。平成7年4月から現時点までに25の報告輯と3つの全体研究集会報告集を刊行できた事実は、スラブ・ユーラシア地域での多面的な変動研究が着実に進行していることを物語っている。確かに、25の報告輯のうち7つは資料集に等しく、その他も中間研究報告輯の色彩が強く、しかも全体としてのまとまりが一見弱いようにも見える。しかし、これらの出版物を出してこそ研究成果の見通しをたてることができるだけでなく、このプロセスなしには研究活動の自己革新は期待できないであろう。しかも、出版物の半分近くを欧文で出版した例は他の社会科学系の重点領域研究のなかでも数少なく、とくに研究用に再編された源資料を出版したことは資料の集積地および発信地として、海外の研究機関からも注目され始めている。
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