研究概要 |
高次フラーレンC_<84>の各種ド-ピング化合物を作製し超伝導を探索した。ドナー元素としてカリウム、またアクセプター元素として沃素を選び、それぞれC_<84>と共にキャピラリー付きのパイレックスガラス製試料容器に、物性測定時の熱交換用ヘリウムガスを入れて封入し、電気炉中での反応、Moターゲットを用いてのX線回折、交流ハートショーン法を用いての磁化率測定を繰り返し行うことにより、新奇ド-ピング化合物の生成とその構造解析及び超伝導出現の有無を調べた。その結果C_<84>K_xについては、X=0の構造である面心立方(a=15.94Å)からカリウムの濃度x増加と共に、面心立方(a=16.15Å)→体心立方(a=12.78Å)→面心立方(a=16.55Å)と構造が変化することがわかり、これらはそれぞれC_<84>K_3,C_<84>K_6,C_<84>K_9と推定された。またIについては反応温度200〜250℃で格子定数は変わらないものの相対強度比が大きく変わった面心立方構造を取ることを見出し、C_<84>Iであることがわかった。これらの各相についての超伝導探索の結果、残念ながらいずれも1.3K以上には超伝導転移を持たないことがわかった。現在これらの結果をまとめた論文を執筆中である。さらに、C_<84>K_xについては、C_<70>K_xとの類似性から予想されるx=1,4の相の作製とその超伝導出現の可能性を調べる予定である。またC_<84>I_xについては、同時に六方構造と体心正方構造のド-ピング化合物の生成も確認されたが、これらの相の生成条件の確定及び超伝導の探索を継続して行なっている。またKEK-PFの放射光を用いた回折実験により精密な構造解析を継続中である。
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