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1995 年度 実績報告書

電解重合法による機能性薄膜被覆電極の創製と機能発現機構

研究課題

研究課題/領域番号 07215281
研究機関早稲田大学

研究代表者

逢坂 哲弥  早稲田大学, 理工学部, 教授 (20097249)

キーワード電解重合 / 有機薄膜 / 固体電解質 / 高分子アニオン / 電界発光 / 高分子半導体
研究概要

本研究では電解重合法による機能性薄膜の創製,機能付与,機能発現機構の解析を行った.電気化学的な活性を示す電解重合ポリピロール膜は,固体電解質系における高分子膜内の物質移動過程が電気化学反応全体を支配している.そこで,イオン伝導性を示すポリエチレンオキシドに構造が類似するナフィオンをポリピロールと複合化させ特性を評価した.その結果,膜内の物質拡散過程の向上が認められた.このことから,高分子固体電解質内での電気化学的挙動は分子レベルでの機能基の複合で改良されることが示され,有機電気化学における反応場の設計に関する知見が得られた.
また高分子アニオンとp型高分子の複合膜の酸化還元時にカチオンによる電荷補償が起こることに着目し,被覆膜電極のイオン応答性について系統的な検討を行った.電解重合条件の選択により1価陽イオンにネルンスト応答を示すことを明らかにした.さらに,この複合膜電極上にイオン感応性の可塑化ポリ塩化ビニル膜との積層型電極を作製した.この高分子二層膜は固体系でありながら,液体系類似の濃淡電池の形成に起因する安定なイオン電位応答を示す.特にバリノマイシンを適用した電極では,全固体型カリウムイオン選択性電極としても応用可能で,積層有機膜の界面状態からその電位発生メカニズムについても解析し考察を加えた.
また,これら電解重合膜の半導体的特性の制御による機能発現を試みた.その結果,ポリアルキルチオフェン系の電解重合膜内でのホール,電子の両キャリアが再結合する際に,電界発光を示すことを見出した.この高分子半導体薄膜の膜性は絶縁性高分子のプレコートにより大きく改善されEL素子を一つの応用例として,ホール輸送膜としての有効性を同時に示した.以上より,被覆高分子膜内の導電キャリヤの制御と機能発現に関する知見を統合し報文に発表する予定である.

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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