研究概要 |
本研究はエキシマーレーザーで固体ターゲット表面をアブレートした際に発生する原子分子ラジカルをビーム源として利用すること、それにLIF-TOF(飛行時間レーザー誘起蛍光)レーザー分光法を適用して表面素過程の観測を行なうことを目的として、平成5年から継続して研究を行なっている。その最終年度である本年度得られた主な研究成果は以下の通りである。 1.パルス可変波長レーザー(色素レーザー、OPO)によるシートビームと高感度CCDカメラを組合わせた、二次元LIF-TOF分光計測システムを開発し、YBCO高温超伝導膜作成時のY, YO, Ba, BaO, Cu等のラジカルの時間・空間分布を詳細に観測し、Y・BaとCuとでは酸化過程に大きな違いがあることを明らかにした。 2.レーザー光散乱法を用いてYBCO膜作成時のダストの発生を観測し、ターゲットから直接発生するものと、輸送中に凝縮により生成するものがあることを見出した。 3.BaTiO_3等の各種光学膜の作成にもパルスレーザーデポジション法を適用し、その成膜過程を観測した。 以上の結果により3年間にわたる本研究当初の目標を達成できたものと考えている。
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