研究課題/領域番号 |
07224101
|
研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
足立 伸一 理化学研究所, 生体物理化学研究室, 研究員 (60260220)
|
研究分担者 |
祥雲 弘文 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (70012036)
城 宜嗣 理化学研究所, バイオデザイン研究グループ生体物理化学研究室, 副主任研究員 (70183051)
飯塚 哲太郎 理化学研究所, 生体物理化学研究室, 主任研究員 (30029475)
|
キーワード | 時分割 / タンパク質結晶構造解析 / 可視過渡吸収 |
研究概要 |
平成5、6年度の本重点領域研究の研究費により、我々は落射蛍光顕微鏡を蛋白結晶の可視吸収スペクトル測定装置として改造を行なった。本装置は結晶の透過光をファイバーを通して分光器に導入し、スペクトル測定解析を行うシステムであり、50ミクロン以上の結晶を用いて非反応条件下のスペクトル測定が可能であることを確認した。 さらに今年度は、昨年度改造を行なった装置をもとに、トリガー用Nd:YAGレーザーを組み合わせ、一酸化炭素結合型ミオグロビン結晶の時間分解スペクトルの測定をおこなった。Nd:YAGレーザーで励起後、ゲート時間1-10ミリ秒程度で一酸化炭素分子の解離・再結合反応に伴う過渡吸収スペクトルの変化を観測できることを確認し、本装置が蛋白質結晶内におけるミリ秒オーダーのダイナミクスを捕えるのに有用であることを示すことができた。Nd:YAGレーザーは我々の研究室に既存のものを流用し、タイミング設定回路、レーザー光路設定用多層膜ミラー等を新たに製作、導入した。この改造に必要な電子部品、光学部品の購入に消耗品費を充てた。(足立、飯塚、城)。 さらに今年度は、ミオグロビン以外の蛋白質結晶反応系についても予備的なスペクトル測定をおこなった。主な反応系は以下のものである。 試料名 試料保有者 ヘモグロビンα(Mg)_2β^<E11l>(Fe-CO)_2 大阪大学 森本英樹助教授 ω-アミノ酸:ピルビン酸アミノ基転移酵素 筑波大学 坂部知平教授 グルタチオン合成酵素 京都大学 加藤博章博士 一酸化窒素還元酵素チトクロムP450nor 筑波大学 祥雲弘文教授 上記の試料についても、今後時分割スペクトル測定を目指して測定条件の検討を行ってゆく予定である。
|